メディア プールとは、1つの単位として管理されるメディアの集合のことです。
メディア ローテーションまたは GFS(Grandfather-Father-Son)方式のバックアップは、メディア プールを使用します。
各メディア プールには名前が割り当てられ、メディアはシリアル番号によって整理されます。 割り当てられたシリアル番号は永続的に使用されます。バーコード リーダが付いているデバイスを使用している場合は、シリアル番号として、そのメディアのバーコード ラベルが使用されます。 メディア プールはメディアのシリアル番号の範囲ごとに編成され、保存セットと再利用セットという 2 つのセットに分類されます。
上書きできない重要なデータが入っているメディアのセットを、保存セットと呼びます。 保存セット内のメディアは、設定した基準(保存する必須メディア数と保存期間)をパスすると、繰り返し再利用されます。
設定した基準(保存する必須メディア数と保存期間)を満たし、再利用したり上書きしたりできるようになった保存セット内のメディアは、再利用セットに格納されます。
メディアの内容が書き出されるたびに、メディアは再利用セットから保存セットに移動されます。 移動したメディアは、指定した基準が満たされると再利用セットに戻されます。 また、CA ARCserve Backup がスクラッチ セットで空でないメディアを検出すると、メディア プール マネージャは、データが入っている WORM メディアが使用されないように、メディアの使用を制御します。
選択されたバックアップのタイプと方法に関係なく、すべてのメディアはメディア プールに割り当てられます。 すべてのローテーション バックアップ ジョブは、シンプル ローテーションの場合は[スケジュール]ダイアログ ボックスの[メディア プール名]フィールドに入力されている名前に基づいて、GFS が有効になっている場合は[メディア プール名プレフィックス]フィールドに入力されているプレフィックスに基づいて、それぞれ独自のメディア プールを作成します。 GFS バックアップでは、日単位、週単位、および月単位の 3 つのメディア プールが使用されます。 これらの 3 つのプールは、[メディア プール名プレフィックス]フィールドに入力されている情報も使用します。 たとえば、GFS バックアップ ジョブの[メディア プール名プレフィックス]に「ACTG」と入力すると、日単位のメディア プールの名前は ACTG_DLY となります。
シンプル(メディア プールを 1 つだけ使用)ローテーションの場合は、メディア プールの完全な名前を指定してください。
保存セット
メディア プールの保存セットとは、上書きができないメディアのセットのことです。 ここでは、カスタム バックアップ ジョブの保存セット情報を修正したり、 メディアを保存セットから再利用セットに、または 1 つの保存セットから別の保存セットに移動することができます。 メディア プール数と規則がすでに定義されている GFS および ローテーション バックアップ ジョブの保存セット情報は修正できません。
保存セット内に格納する必須メディア数と保存期間は定義するようにしてください。
再利用セット
メディア プールの再利用セットとは、保存期間が過ぎた後に保存セットから移動して再利用されるメディアのセットのことです。 再利用セット内のすべてのメディアは、次に使用されるときに上書きされます。 前回のフォーマット日の一番古いメディアが最初に使用されます。
保存日数
保存日数とは、メディアが再利用セットに移動されるまで、保存セットに保持される日数のことです。 たとえば、保存期間を 14 日間と指定すると、指定された期間、保存セット内に保持されます。 メディアが 14 日間使用されなかった場合は、再利用セットに移動されます。
データベース保存期間(日数)
このオプションを使用して、選択したメディア プール内のテープにバックアップ ジョブに関する詳細なレコードを保存しておく期間を指定します。 指定した日数が経過すると、このメディア プールにあるレコードはデータベースから削除されます。 データベース保存期間を 0 にすると、この情報はデータベースから削除されません。
注: このオプションは、[古いデータベース レコード廃棄間隔]オプションに優先します。
保存セット内必須メディア数
メディア プール内に保存しておくメディアの最小数を指定できます。 これは、古いメディアが再利用セットで再利用されるまで、保存セット内に保持しておく必要があるメディアの個数です。 これを指定しておくと、バックアップが長期間行われない場合に、データが失われてしまうのを防ぐことができます。
ローテーションおよび GFS メディア プール
ローテーションおよび GFS メディア プールは、基本メディア プール アーキテクチャに基づいています。 ローテーション バックアップは、バックアップ マネージャの[スケジュール]ダイアログ ボックスの[メディア プール名]フィールドに入力した内容に基づいてメディア プールの名前を指定します。
GFS バックアップでは、日単位、週単位、および月単位の 3 つのメディア プールが使用されます。 各メディア プールには、デフォルトの保存期間と保存するメディア数が指定されています。
シリアル番号情報
メディアのシリアル番号は、メディア プールを分類する基準の 1 つです。 メディアのシリアル番号を作成するには、以下の 3 つのうちのいずれかの方法を使用できます。
メディアのシリアル番号を修正することはできませんが、[メディア プール情報]画面で以下のシリアル番号情報を追加、修正することは可能です。
フィールド |
説明 |
基本シリアル番号 |
CA ARCserve Backup がシリアル番号を自動的に割り当てるときに使用する基本シリアル番号です。 最初にフォーマットされるメディアのシリアル番号は[基本シリアル番号]と同じになります。 その後、各メディアのシリアル番号は 1 つずつ増えていきます。 |
範囲 |
メディア プールのシリアル番号を分類する範囲(最大 31 桁)を指定できます。 たとえば、MKTG メディア プール内のすべてのメディアの範囲として 200000-299999 を指定すると、200000-299999 の数字はすべて MKTG メディア プール内に分類されます。 |
次のシリアル番号 |
このフィールドに入力する番号は、ベース番号と同じ数字で始めますが、各メディアがフォーマットされるたびに 1 つずつ増えていきます。 他のメディア プール設定に従ってこの番号は自動的に加算されていくので、ここでは番号を入力する必要はありません。 |
シリアル番号がメディアに一旦割り当てられると、メディアが消去されたりフォーマットされても、シリアル番号を手動で明示的に無効にしたい場合を除き、メディアの寿命が切れるまでその番号は変わりません。
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