VSS バックアップの動作

CA ARCserve Backup を使用して VSS バックアップを行う際の手順は以下のとおりです。

  1. リクエスタ(CA ARCserve Backup)は VSS に対して、バックアップに関わるすべてのライタへの指示を送るよう伝えます。この指示を受けたライタは、メタデータ ドキュメント(バックアップの指示を含む XML ファイル)を収集してリクエスタに送信します。

    CA ARCserve Backup は、ローカルの設定では VSS と直接交信します。 リモート設定では、VSS と CA ARCserve Backup の間の交信は Client Agent for Windows によって処理されます。これはターゲットのコンピュータにインストールしておく必要があります。

  2. VSS は、シャドウ コピーの作成に関わるボリュームの管理を担当するプロバイダと接続します。 最も単純なケースでは、シャドウ コピーの作成に関わるすべてのボリュームは 1 つのプロバイダによって管理されます。ただし、場合によっては複数のプロバイダが関わる場合もあります。
  3. VSS はバックアップに含まれているライタと接続して、ライタのメタデータ ドキュメントの収集とリクエスタへの送信を指示します。 ライタは同時に、バックアップ対象のファイルの整合性を維持したまま、フリーズの準備を開始します。
  4. ライタはメタデータ ドキュメントをリクエスタに送信します。 メタデータ ドキュメントは直接編集しないでください。 バックアップするファイル、および使用するバックアップ方式とリストア方式を指定するには、CA ARCserve Backup のバックアップ マネージャを使用します。
  5. ライタからすべてのライタ メタデータ ドキュメントを収集したら、リクエスタはシャドウ コピーの作成を開始する別のコマンドを VSS に発行します。
  6. VSS は、シャドウ コピーの作成に使用するデータに矛盾がなく、内部整合性が維持された状態で、ライタのアプリケーションをフリーズします。 アプリケーションがフリーズしている間、ライタは元のボリュームのファイルに対する変更をすべて保留にします。これによって、シャドウ コピーの作成中もアプリケーションとそのファイルが使用可能になります。 ただし、VSS バックアップは Point-In-Time バックアップであるため、フリーズ後のファイルに対する変更内容はシャドウ コピーには反映されず、バックアップもされません。
  7. VSS はプロバイダへコマンドを発行し、現在のディスクの状態のシャドウ コピーを作成するよう指示します。
  8. プロバイダは、シャドウ コピー ボリュームにシャドウ コピーを作成します。
  9. VSS はフリーズ状態のライタを解除し、通常の状態に戻します。 シャドウ コピーの作成中にライタが保留にした変更内容はすべて、この時点で元のボリュームへ書き込まれます。 解除は、シャドウ コピーの作成後、データのバックアップが開始される前に行われます。 これにより、シャドウ コピー ボリュームを使用してバックアップが実行されている間に、アプリケーションは元のボリュームを使用できます。
  10. バックアップ データが Client Agent for Windows によってリクエスタ(CA ARCserve Backup)に送信されます。
  11. リクエスタはデータをメディアにバックアップします。 ライタのメタデータはシャドウ コピーのデータと共に保存されるため、データをリストアするときに回復情報が使用できます。

    この図は、CA ARCserve Backup を使用して VSS バックアップを行う際の一連の手順を示しています。