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ベスト プラクティス - Disaster Recovery Option を使用せずに Arcserve Backup サーバを惨事復旧する方法
Arcserve Backup では、Disaster Recovery Option をインストールせずに Arcserve Backup サーバに対して完全な惨事復旧を実行できます。この機能を有効にするには、後述の「Arcserve Backup サーバの復旧」に記載されている手順を完了する必要があります。復旧する Arcserve Backup サーバがプライマリ サーバまたはスタンドアロン サーバである場合は、後述の「Arcserve Backup データベースの回復」の手順も完了する必要があります。
この手順は、以下の作業から構成されます。
- Arcserve Backup サーバのフル バックアップとリストアの実行
- Arcserve Backup サーバの復旧
- Arcserve Backup データベースをリカバリします。
- 既存の Arcserve Backup データベースの再アクティブ化(オプション)
- ジョブ キュー セッションの回復
重要:ジョブ キューは、 のプライマリ サーバまたはスタンドアロン サーバにリストアする必要があります。Arcserveジョブ キューを Arcserve ドメインに含まれるメンバ サーバにリストアしないでください。
- Active Directory の回復
- 注: このタスクは、ドメイン コントローラとして機能する Arcserve Backup サーバにのみ適用されます。
- Arcserve Backup ライセンスの確認(必要な場合)
以下の動作に注意してください。
- 復旧中または復旧後に、システム ログおよび Arcserve Backup ログにエラー メッセージが書き込まれます。これらのメッセージは、復旧の際に通常発生するもので、データの損失や機能上の問題を示すものではありません。
- Disaster Recovery Option を使用せずに Arcserve Backup サーバを同じサーバ上にリストアする場合は、システム予約済みボリューム上に十分な空き容量があることを確認します。システム予約済みボリュームは、Windows Server 2012 のインストール時に、350 MB のデフォルト サイズで割り当てられます。このデフォルト サイズを約 490 MB に変更することをお勧めします(500 MB 未満を維持するようにしてください)。システム予約済みボリュームを増やすことができない場合は、Disaster Recovery Option を使用して Arcserve Backup サーバを復旧するか、またはシステム予約済みボリュームを新しく作成します。
- システム予約済みボリュームを新しく作成するときは、MBR (マスタ ブート レコード)ディスクのプライマリ パーティションにのみ、システム予約済みボリュームを作成できることに注意してください。システム ボリュームとブート ボリュームを組み合わせると、BitLocker 機能を使用してコンピュータ上のボリュームを暗号化することはできません。
- 以下の手順に従います。
- 新規ボリュームを作成します。たとえば、ブート パーティションを含むディスク上に約 490 MB のサイズで F: を作成します(ボリュームのサイズが 500 MB 未満であることを確認します)。
- Windows Server 2012 が C:\ ドライブにインストールされている場合は、DOS コマンド プロンプトを開いて(管理者として実行)、以下のコマンドを入力します。
bcdboot.exe C:\Windows /s F:
- DISKPART と入力します。
- DISKPART コマンド プロンプトから、以下を入力します。
DISKPART> select volume F
DISKPART > active
- マシンを再起動すると、新しいシステム予約済みボリュームが F: に作成されます。
- 注: 以前の設定に戻すには、元のシステム ボリュームを使用してこれらと同じ手順を繰り返して、ドライブ文字(たとえば D:)を割り当てます。
Arcserve Backup サーバを復旧する方法
重要:Arcserve Backup サーバを復旧する前に、Arcserve Backup サーバのフル バックアップを最低 1 回は実行しておく必要があります。
- Arcserve Backup サーバ上にオペレーティング システムを再インストールします。
- ハードディスクのパーティション、ハードウェア、およびオペレーティング システム(バージョン、エディション、およびサービスパック)の構成が、バックアップした構成と同一であることを確認します。
- Arcserve Backup、エージェント、およびオプションを、元のインストール場所と同じディレクトリに再インストールします。
- Arcserve Backup のインストール後、マージ ユーティリティを開き、最後のフル バックアップに使用したメディアをマージします。
- マージの完了後、リストア マネージャを開き、[ファイルを元の場所にリストア]オプションがオンになっていることを確認します。
- フル バックアップ セッションを指定します。
- マシンのバックアップ セッションを選択します。その際、以下の Arcserve Backup 固有のセッションはすべて除外します。
- 惨事復旧セッション
- Arcserve ジョブ キュー セッション
- Arcserve データベース セッション
- SQL Server 惨事復旧エレメント セッション
- 注: リストアの際に Arcserve Backup カタログ データベース セッションを選択した場合、リストア ジョブをサブミットした後に、Arcserve Backup マネージャ コンソールを閉じる必要があります(Arcserve Backup では、デフォルトでカタログ データベースが有効です)。これにより、リストア プロセスによってカタログ データベースを上書きできるようになります。ジョブ ステータス マネージャまたはジョブ モニタを再度開いてジョブ ステータスを監視することはできますが、ジョブが完了するまで、リストア マネージャまたはデータベース マネージャを開かないでください。
- ツールバーの[オプション]ボタンをクリックします。
- リストア マネージャのオプション ダイアログ ボックスが表示されます。
- [操作]タブをクリックし、[レジストリ ファイルおよびイベント ログをリストア]オプションをクリックして[OK]をクリックします。
- [オプション]ダイアログ ボックスが閉じます。
- ツールバーの[サブミット]ボタンをクリックし、リストア ジョブをサブミットします。
- [セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスが開きます。
- [セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスで、必要に応じて以下のフィールドに入力し、[OK]をクリックします。
- [ユーザ名] -- ターゲット Arcserve Backup サーバのユーザ名を指定します。
- [パスワード] -- ターゲット Arcserve Backup サーバのパスワードを指定します。
- [セッション パスワード]-- 暗号化されたバックアップ セッションのパスワードを指定します。
- [IP アドレス]-- ターゲット Arcserve Backup サーバの IP アドレスを指定します。
- [セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスで、[編集]をクリックし、選択したセッションのユーザ名、パスワード、および IP アドレスを変更します。
- [ユーザ情報]ダイアログ ボックスが開きます。
- [ユーザ情報]ダイアログ ボックスで、Arcserve Backup サーバのユーザ名とパスワードを指定します。さらに、そのユーザ名とパスワードをすべてのセッションに適用するために[ユーザ名とパスワードをすべてのセッションに適用する]チェック ボックスをクリックします。
- 注: IP アドレスとパスワードを編集するときは、個々の IP アドレスと個々のセッションのセッション パスワードを編集する必要があります。
- [OK]をクリックします。
- [ユーザ情報]ダイアログ ボックスが閉じます。
- [OK]ボタンをクリックして[セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスを閉じます。
- 注: [OK]をクリックした後で、Arcserve Backup というメッセージ ボックスが開く場合があります。このメッセージ ボックスに表示されるメッセージにより、リストア ジョブのサブミットに認証を必要とするセッションに対して IP アドレスを指定するよう指示されます。Arcserve Backup ダイアログ ボックスが開いた場合は、すべてのセッションがジョブをサブミットするようにすべての IP アドレスを指定し、[OK]をクリックします。
- リストア ジョブがサブミットされました。
- リストア ジョブの完了後、コンピュータを再起動します。
- 以下の動作に注意してください。
- Windows Server 2012 システムを再起動した後、スタートアップ メニューにマウス カーソルを置いたときに、スタートアップ メニューが表示されない場合があります。この動作が発生した場合、スタートアップ メニューを表示するには、いったんコンピュータをログオフしてからログインしてください。
- オペレーティング システムにログインすると、エラー メッセージが表示され、コンピュータの予期しないシャットダウンの理由が表示される場合があります。これは、システム状態の回復を行うと通常発生するものです。必要に応じて、ドロップダウン リストから適切な答えを選択して続行してください。
- また、次のようなメッセージが表示される場合もあります。「1 つ以上のサービスまたはドライバがシステム起動時にエラーになりました。詳細については、イベント ビューアを使用してイベントを確認してください。」さらに、SQL Server サービス(ARCSERVE_DB)を開始できないため、エラーになります。この段階では SQL Server サービスは復旧していないため、このエラーが発生しても問題ありません。「Arcserve Backup データベースの回復」に記載されている手順を完了すれば、サービスのエラーは解決します。
- コンピュータ再起動後に、以下のいずれかを実行します。
- SQL Server サービスが開始し、Arcserve Backup データベースが Microsoft SQL Server 2014 でない場合は、次のタスクに「Arcserve Backup データベースを回復する方法」に進みます。
- SQL Server サービスが開始し、Arcserve Backup データベースが Microsoft SQL Server 2014 である場合は、以下の手順を実行します。
- Windows サービス マネージャを開きます。
- Arcserve Database Engine サービスおよび SQL Server サービスを停止します。
- sqlservr.exe -m を使用して、シングル ユーザ モードで SQL Server サービスを開始します。
- SQL Server Management Studio を使用して、ローカルの SQL Server にログインします。
- [オブジェクト エクスプローラ ペイン]で、<ホスト名>-[セキュリティ]-[ログイン]とドリルダウンします。
- 元の Windows アカウントを削除します。
- 例: <ホスト名>\Administrator
- 注: このアカウントの削除に関して警告メッセージが表示された場合は、警告メッセージを無視して問題ありません。
- SQL Server へのログインに使用する Windows アカウントを追加します。
- 例: <ホスト名>\Administrator
- データベースのデフォルトの言語を指定します。
- このアカウントの [public] および [sysadmin] 権限を指定します。
- SQL Server サービスのシングル ユーザ モードを停止します。
- Windows サービス マネージャを開き、SQL Server サービスを開始します。
- 次のタスク「Arcserve Backup データベースを回復する方法」に進みます。
- SQL Server サービスが開始されなかった場合は、次の手順に進みます。
- Data フォルダを右クリックし、コンテキスト メニューから[プロパティ]を選択します。
- [プロパティ]ダイアログ ボックスが開きます。
- [セキュリティ]タブをクリックし、[詳細設定]をクリックします。
- [Data のセキュリティの詳細設定]ダイアログ ボックスが開きます。
- 注: Windows Server 2008 システムでは、[Data のセキュリティの詳細設定]画面の[詳細]をクリックします。
- [アクセス許可]タブをクリックし、[子オブジェクトすべてのアクセス許可エントリを、ここに表示されているエントリで子オブジェクトに適用するもので置換する]オプションをオンにして、[OK]をクリックします。
- 注: Windows Server 2008 システムでは、[すべての子孫の既存の継承可能なアクセス許可を、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可で置き換える]オプションをクリックします。
- Arcserve Backup データベースがデータベース データ ファイルを別のディレクトリに格納するように設定されている場合は、このフォルダに対して手順 16,17、および 18 を繰り返してセキュリティ属性を変更します。
- Windows サービス マネージャを開き、SQL Server サービス(ARCSERVE_DB)を開始します。
- 以下のいずれかを実行します。
- SQL Server サービスが開始されたら、次のタスク「Arcserve Backup データベースを回復する方法」へ進みます。
- SQL Server サービスが開始されず、SQL Server サービスを開始できない場合は、次の手順に進みます。
- Windows の[コンピュータの管理]ダイアログ ボックスを開き、[ローカルユーザー]、[グループ]の順にクリックします。
- 次のグループ名が表示されます。
SQLServer2008MSSQLUser$MACHINENAME$ARCSERVE_DB
- 注: MACHINENAME の値は、使用しているコンピュータ名である必要があります。
- このグループ名を控えておきます。
- Data フォルダに戻ります(手順 16 を参照)。
- Data フォルダを右クリックし、コンテキスト メニューから[プロパティ]を選択します。
- [プロパティ]ダイアログ ボックスが開きます。
- [セキュリティ]タブをクリックし、[追加]をクリックします。
- [ユーザ、コンピュータ、またはグループの選択]ダイアログ ボックスが開きます。
- [場所]、[ローカル コンピュータ]の順にクリックします。
- 手順 18 で控えたグループを追加し、[OK]をクリックします。
- [ユーザ、コンピュータ、またはグループの選択]ダイアログ ボックスが閉じます。
- [詳細設定]タブ、[アクセス許可]タブの順にクリックします。
- [子オブジェクトすべてのアクセス許可エントリを、ここに表示されているエントリで子オブジェクトに適用するもので置換する]オプションをオンにして、[OK]をクリックします。
- 注: Arcserve Backup データベースの設定で、データベース データ ファイルが別のディレクトリに格納するよう指定されている場合、このフォルダに対しても手順 16 ~ 27 を繰り返してセキュリティ属性を変更します。
- Windows サービス マネージャを開き、SQL Server サービス(ARCSERVE_DB)を開始します。
Arcserve Backup データベースをリカバリする方法
重要: Arcserve Backup は、データベースを回復するまで使用できません。エラー メッセージが Arcserve Backup アクティビティ ログに示されることがありますが、無視してかまいません。
- Windows サービス マネージャを開き、Arcserve Database Engine サービスを開始します。
- リストア マネージャを開きます。
- [リストア方式]ドロップ ダウン リストから、[セッション単位]を選択します。
- リストア ソースとして Arcserve Backup データベース セッションを選択します。
- [デスティネーション]タブをクリックし、[ファイルを元の場所にリストア]オプションが選択されていることを確認します。
- 注: 回復する Arcserve Backup データベースが、ローカルの SQL Server インスタンスに格納されている場合、Arcserve Backup (asdb)をリストアする前に、マスタ(master)データベースをリストアする必要があります。
- ツールバーの[オプション]をクリックして、リストア オプションを開きます。
- [操作]タブをクリックし、[データベースに記録しない]オプションを選択して、[OK]をクリックします。
- [オプション]ダイアログ ボックスが閉じます。
- Arcserve データベース セッションを右クリックし、コンテキスト メニューから[エージェント オプション]を選択します。
- [リストア オプション]タブをクリックし、[リストアで強制的に既存ファイルまたはデータベースに上書きする]オプションを選択して、[OK]をクリックします。
- 注: このオプションを選択しないと、リストア ジョブに失敗する可能性があり、その場合はデータベース エンジンを起動できません。トラブルシューティングの詳細については、「既存の Arcserve Backup データベースを再度アクティブ化する方法」の手順を参照してください。
- ツールバーの[サブミット]ボタンをクリックし、リストア ジョブをサブミットします。
- 注: ツールバーの[サブミット]ボタンをクリックしてリストア ジョブをサブミットした後で、[セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスの[DBAgent]タブでユーザ名とパスワードを指定する必要があります。
- リストア処理の間は、データベース エンジン サービスが停止または一時停止し、マネージャ コンソールの反応も遅くなる可能性があります。回復が行われている間はデータベース エンジンが使用できないので、クライアントはエンジンに接続することができません。そのため、アクティビティ ログに、エラー E1516 [Staging]「データベースを照会できません(Error=4294967293)」が書き込まれることがあります。データベースの回復において、これは正常な動作です。
- リストア ジョブが正常に完了したら、データベース エンジンが自動的に再開され、Arcserve Backup も通常のパフォーマンスに戻ります。
既存の Arcserve Backup データベースを再度アクティブ化する方法
このタスクは省略可能です。これまでの手順で正しいオプションが選択されなかった等の理由でリストア ジョブに失敗した場合、リストア ジョブの実行中にデータベースがオフライン状態に設定されている可能性があります。その結果、データベース エンジンがリストア時に Arcserve Backup データベースにアクセスできなくなることがあります。その場合は、以下の手順を実行して、既存の Arcserve Backup データベースを再度アクティブにします。
- Arcserve Backup ホーム ディレクトリを開き、asdbe_start.bat を選択します。
- asdbe_start.bat を実行します。
- 注: このスクリプトは Microsoft SQL CLI ユーティリティである「sqlcmd」を使用し、一連のコマンドを実行して Arcserve Backup データベースをオンラインに戻します。
- スクリプトの実行後、データベース エンジン サービスは再開します。
- 「Arcserve Backup データベースの回復」に示す手順を繰り返します。
- 注: ジョブを開始する前に、[データベースに記録しない]および[リストアで強制的に既存ファイルまたはデータベースに上書きする]オプションが選択されていることを必ず確認してください。
ジョブ キュー セッションを回復する方法
- Arcserve Backup サーバの開始後、リストア マネージャを開き、ジョブ キュー セッションを選択します。
- 注: ジョブ キュー セッションを選択すると、Arcserve Backup では、ジョブ キュー セッションのマージが必要になる場合があります。
- [はい]をクリックして、ジョブ キュー セッションの回復を続行します。
- [デスティネーション]タブで、ジョブ キュー セッションをリストアする別の場所を指定します。
- ツールバーの[サブミット]ボタンをクリックしてジョブをサブミットし、ジョブ キュー セッションを別の場所にリストアします。
- 注: リストア先に指定した別の場所は空であることを確認してください。
- ジョブ キュー セッションを別の場所にリストアした後、サーバ管理を開き、以下の手順を実行します。
- Arcserve Backup プライマリ サーバまたはスタンドアロン サーバを見つけます。
- Arcserve Backup サーバを右クリックし、コンテキスト メニューから[すべてのサービスを停止]を選択します。
- すべての Arcserve Backup サービスが停止します。
- 別の場所にアクセスし、フォルダ内にあるリストアしたすべてのジョブ キュー ファイルを次のフォルダにコピーします: ARCSERVE_HOME\00000001.qsd
- サーバ管理から、以下の手順により、すべての Arcserve Backup サービスを再起動します。
- Arcserve Backup プライマリ サーバまたはスタンドアロン サーバを見つけます。
- Arcserve Backup サーバを右クリックし、コンテキスト メニューから[すべてのサービスを開始]を選択します。
- すべての Arcserve Backup サービスが開始します。
- 注: リストアに使用したバックアップ ジョブの状態は、「クラッシュ」になります。ジョブ キューがバックアップされると、そのジョブの状態は「アクティブ」ですが、対応するプロセスはこの時点で実行されていません。そのため、ジョブの状態が「クラッシュ」になります。これにより、エラー メッセージ E1311 「ジョブはクラッシュしています」がアクティブ ログに書き込まれます。これはジョブ キュー セッションの回復において珍しいエラーではありません。
- Arcserve Backup がドメイン コントローラでない場合は、「Arcserve Backup 製品ライセンスの確認」に進んでください。<caab> がドメイン コントローラである場合は、「Active Directory の回復」に進んでください。
Active Directory の回復
- システムを再起動します。
- システムの再起動後、F8 キーを押します。
- [詳細オプション]メニューが表示されます。
- 「ディレクトリ サービス復元モード」を選択し、リストア モードでシステムを開始します。
- 開始 Arcserve Backup.
- 以下に示すエラー メッセージ E3073 が表示されます。
「ユーザとしてログオンできません。(ユーザ=Administrator, エラー=LOGON FAILURE)」または「W3073 ユーザとしてログオンできません。(ユーザ=Administrator, エラー=LOGON FAILURE)」
- リストア マネージャを開いて[ソース]タブを選択します。
- [リストア方式]ドロップ ダウン リストから、[セッション単位]を選択します。
- 「システム状態」セッションを検索し、選択します。
- 以下のいずれかのオプションを実行します。
- Windows Server 2008 以降のシステムの場合
- [システム状態リストア オプション]ダイアログ ボックスで、[Active Directory のリストアを Authoritative モードで実行する]をクリックし、[OK]をクリックします。
- ツールバーの[オプション]ボタンをクリックします。
- [グローバル オプション]ダイアログ ボックスが表示されます。
- [操作]タブをクリックします。
- [レジストリ ファイルおよびイベント ログをリストア]をクリックし、[OK]をクリックします。
- [グローバル オプション]が適用されます。
- 以下のいずれかのオプションを実行します。
- Windows Server 2008 システム以降 -- 「Active Directory オブジェクトのリストア」に説明されている手順を完了します。
- Windows Server 2008 以降のシステムの Authoritative Active Directory を回復するには、以下の手順に従います。
- [システム状態]リストア ジョブの完了後に、ディレクトリ サービス復元モードで Active Directory サーバを再起動します。
- コマンド ライン ウィンドウを開き、以下のコマンドを実行します: ntdsutil
- "activate instance ntds" を実行します。
- "authoritative restore" を実行します。
- "restore subtree dc=Domain_Name, dc=xxx" を実行します。
- Active Directory がリストアされます。
- リストア ジョブの完了後、システムを再起動します。
Arcserve Backup 製品ライセンスの確認
フル リストアの完了後、製品ライセンスを確認する必要があります。現在の Arcserve Backup ライセンスは、フル バックアップを実行した際の状態にリストアされています。フル バックアップ後に新規ライセンスを適用している場合、または他のサーバに動的にライセンスを割り当てている場合、ライセンス エラーが発生する可能性があります。その場合は、製品ライセンスを登録または調整してください。
エラー メッセージ
Arcserve Backup サーバを復旧した場合、システム構成に応じて、以下のようなエラー、警告、失敗の監査のメッセージがシステム イベント ログに記録される場合があります。これらのメッセージは、復旧の過程で発生するもので、Arcserve Backup サービスおよび SQL Server サービスの開始順序に関連しています。
復旧中に以下のエラーが、Arcserve Backup から報告されることがあります。
エラー 8355
このエラー メッセージは、復旧された MSDB で「サービス ブローカ」が無効に設定されているために発生します。これは SQL Server 2014 Express Edition に限定されたシステム データベースの回復におけるデフォルトの動作で、このエラーは無視できます。SQL Server 2000 および SQL Server 2005 では、この現象は見られません。
このエラーは、以下を行うことにより回避できます。
- Windows コマンド プロンプトを開きます。
- 以下の sqlcmd を実行して、Arcserve Backup データベース(ARCSERVE_DB)に接続します。
SQLcmd -S <マシン名>\<インスタンス名>
例:
C:\Users\Administrator>sqlcmd -S localhost\ARCSERVE_DB
- msdb の service_broker の値が 0 であることを確認します。
select name,is_broker_enabled from sys.databases
go
- 以下の引数を使用してコマンドを実行します。
alter database msdb set enable_broker
go
- msdb の service_broker の値が 1 であることを確認します。
select name,is_broker_enabled from sys.databases
go
Quit
- コマンド プロンプトを閉じます。
Arcserve Backup は、復旧処理の終了後に以下のエラー状態の修正を行います。
Error 615
このエラー メッセージは、SQL Server が単一の Arcserve Backup データベースを構成している場合、Arcserve Backup Disaster Recovery Option を使用せずに master のリストアが実行されると発生します。SQL Server 2014 Express Edition が Arcserve Backup データベースをホストする場合は発生しない可能性があります。
Arcserve Backup Agent for Microsoft SQL Server では、インスタンス全体が選択された場合でも、tempdb データベースはバックアップされません。Arcserve Backup サーバおよび File System Agent の通常のファイル システム バックアップでも tempdb は除外されます。しかし、tempdb は SQL Server マスタ データベースの既存データベースとして記録されています。そのため、マスタがリストアされると、SQL Server サービスで tempdb が見つからないというエラーが報告されます。
Error 15466
このエラー メッセージは、Arcserve Backup Disaster Recovery Option を使用しないでシステム状態のリストアが実行された場合、復旧処理の間に発生します。SQL Server 2014 Express Edition または SQL Server を使用して Arcserve Backup データベースをホストすることもできます。
Disaster Recovery Option を使用しないで Arcserve Backup サーバを復旧すると、Windows オペレーティング システムおよび SQL Server が再インストールされ、SQL Server の SMK (Service Master Key、サービス マスタ キー)が作成されます。サービス マスタ キー(SMK)は、すべてのデータベース マスタ キーおよびサーバ レベルの機密データ(認証情報または接続先サーバのログイン パスワードなど)を暗号化するために使用されます。
このキーは 128 ビットの 3DES キーです。SMK は DPAPI およびサービス アカウント認証情報を使用して暗号化されます。システム状態がリストアされ、SQL Server セッションがまだリストアされていない場合、システム状態はリストア処理によって上書きされます。一方、SQL Server インスタンスはまだ上書きされていません。SMK はシステム状態にあるため、元のキーに回復されます。これにより、SQL Server インスタンスとの間で不一致が生じます。この時点で、復旧処理ではオペレーティング システムの再起動が必要になります。
再起動の際、SQL Server では SMK を読み取り、SQL データベースと照合します。SMK と SQL Server データベースが一致しないため、エラーが発生します。
Error 17113
このエラー メッセージは、ファイルまたはファイルが含まれるフォルダに対するユーザのアクセス権限が正しく設定されていないために発生します。このトピックに示す手順を使用して、このアクセス権限の設定を調整します。アクセス権限を調整すれば、このエラーは発生しなくなります。
復旧プロセスに関係のないエラー
Arcserve Backup サービスおよび SQL Server サービスが適切な順序で開始しない場合、システム ログに SQL Server エラー メッセージが表示されることがあります。これは既知の問題です。詳細については、リンクを参照してください。
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