1 回のフル バックアップと 1 回の増分バックアップで 2 セットの復旧データを保持する場合のストレージ容量
以下の条件を仮定します。
- 1週間に1回、1テラバイトのユーザ データをフル バックアップします。
- 増分バックアップを毎日実行します。
- 毎日のデータ変更率は約10%とします。
- 前回と前々回のバックアップ サイクルのデータを高速回復用にオンラインで使用できるようにします。
- 20スロット構成の1つのライブラリに圧縮率2:1のLTOテープ ドライブを使用します。
- どのメディアも使用率に問題はありません。
まず、現在のバックアップ処理の出力を保存するために必要な容量を計算します。LTOメディアの容量は、圧縮率2:1で200 GBです。オーバーヘッド分10%を差し引くと、実際の容量は約180 GBです。したがって、1テラバイトのフル バックアップでは以下の式が成り立ちます。
1 TB ÷ 180 GB/メディア= 6 メディア
上の式を利用すると、マージンについて以下の式が成り立ちます。
(6 X 180 - 1000)/1000 = 8%
6本のテープ(1テラバイト)で8%のマージンを確保できるので、テープを追加する必要はありません。この例では、フル バックアップ用に6本のLTOテープが必要になります。予測した変更率を基にすると、増分バックアップの容量は以下のようになります。
1 TB x 10%(変更率)/増分 x 5(増分の回数)= 500 GB(変更分)
したがって、少なくとも以下の式で求められるメディアが必要になります。
500 GB ÷ 180 GB/メディア= 3 メディア
3 本のテープ(500 ギガバイト)で 9 % のマージンを確保できるので、テープを追加する必要はありません。テープ3本で、1セット分の増分バックアップを保存できます。
次に、オンライン復旧データに必要なストレージ スペースを計算します。ライブラリに2世代前までのバックアップ セットを保存しておく必要があるので、前々回の復旧データ用と前回の復旧データ用に、それぞれ9本ずつのテープが必要です。したがって、復旧データを保存するには、18本のテープが必要になります。
つまり、必要なストレージの合計は、以下のようになります。
テープ9本(現在のバックアップ用)+テープ18本(復旧データ用)=テープ27本
次に、クリーニング スロット分を差し引いて、ライブラリの容量を計算します。
20スロット/ライブラリ- 1(クリーニング スロット)= 19(使用可能なスロット)
したがって、スロットが27 - 19 = 8足りないということになり、以下のいずれかの処理が必要になります。
- ライブラリを増やす。
- 保存データを圧縮する。
- オンラインで保存する復旧データを1セットだけにする。