NBD 転送モードを使用した VM のバックアップおよび復旧操作に失敗する
バックアップ プロキシ システムで実行中のすべての Windows プラットフォームで有効
現象
VM のバックアップおよび復旧操作が失敗します。
VDDK のエラー ログに、以下のエラーが記録されます。
NBD エクステントを開くのに失敗しました
NBD_ERR_GENERIC
エラー ログに、NFC 操作に関連する NFC 接続エラーが記録されます。例:
NfcFssrvrRecv
NfcFssrvr_DiskOpen
NfcNetTcpWriteNfcNet_Send
NfcSendMessage
注: 上記のエラー ログが記録されるのは、デバッグ オプションを有効にしている場合です。詳細は、「VDDK ジョブのデバッグを有効にする」を参照してください。
解決策
NBD(ネットワーク ブロック デバイス)転送モード(別名、LAN 転送モード)は、通信に NFC(ネットワーク ファイル コピー)プロトコルを使用します。各種の VDDK 操作は、NBD を使用して各 ESX Server および ESXi Server ホストでアクセスする仮想ディスクごとに 1 つの接続を使用します。接続がディスク間で共有されることはありません。VI Client、およびホスト システム、vpxd、ESX Server、ESXi Server システム間の定期的な通信によって、複数の並列接続が構成されます。
以下の表に、NFC 接続の最大数を示します。
ホスト プラットフォーム |
接続先 |
制限 |
vSphere 5/6 |
ESXi ホスト |
すべての NFC 接続の転送バッファによって制限され、ホストによって適用されます。ESXi ホストに対するすべての NFC 接続バッファの合計は、32 MB を超えることができません。 vCenter サーバを介した 52 の接続(ホストごとの制限が含まれます)。 |
以下の点に注意してください。
- 最大接続数の値は、ホストでの上限を示します。
- 最大接続数の値は、プロセスでの上限を示すわけではありません。
- 最大接続数の値は、SAN および hotadd 接続には適用されません。
- 「症状」の下に示したエラー メッセージは、ホストシステムへの NFC 接続が、上記の表に示した「最大接続数」を超えた場合に表示されます。障害が発生した場合は、ESX Server または ESXi Server への接続数が増加します。これは、ホスト システムに対する通信セッションが「最大接続数」を超える原因になります。
- NFC クライアントが正しくシャットダウンしなかった場合、ESX Server および ESXi Server は、数十分の間、通信セッションを開いたままで放置します。これにより、開いた接続の数が増加する可能性があります。
推奨事項:
この問題の解決策は、次のベスト プラクティスを使用して、バックアップおよび復旧操作が NBD 転送プロトコルを使用しても失敗しないようにすることです。
- ESX Server システムおよび ESXi Server システムへの開いている接続が正常に閉じられたことを確認します。
- バックアップおよびリストア ジョブをサブミットする場合、以下のベスト プラクティスを使用します。
- ホスト システムへの接続が多くなることが予想される場合は、Arcserve Backup 環境内の VM への入力には VMware vCenter Server を使用します。
- VDDK アプローチを使用してデータをバックアップする場合は、マルチストリーム バックアップで指定するストリーム数を最適化して、VM ディスクの同時読み取り操作の数を最適化します。このアプローチによって、ホスト システムへの通信の数が最小化されます。通信の数は、以下の計算で推定できます。
- 混在モード バックアップ、VDDK を使用した raw(フル VM)バックアップ([ファイル レベルのリストアを許可する]オプションを指定した場合と指定しない場合) -- 接続数は、マルチストリーム ジョブのストリーム数とマルチストリーム ジョブで指定した VM 数のうち、小さい方の数に vmdkReaderCount の値を掛けた値です。
- raw(フル VM)バックアップ([ファイル レベルのリストアを許可する]オプションを指定した場合と指定しない場合)および VDDK を使用したファイル モード バックアップの場合 -- 接続数は、同時にバックアップされるすべての VM のディスクの総数と同じです。ただし、マルチプレキシング ジョブで指定されるストリーム数が上限です。
注: VDDK を使用する VM のバックアップの場合、Arcserve Backup では一度に 1 つのディスクがバックアップされ、vmdkReaderCount の値で示されるように各ディスクへの複数の接続があります。
例: ジョブが 4 つの VM で構成されています。VM1 は 5 つのディスクを含んでいます。VM2、VM3 および VM4 は、それぞれ 4 つのディスクを含んでいます。ジョブでは 3 つのストリームが指定されています。
接続数は、3 (VM 数より小さなストリーム数)に 4 (vmdkReaderCount の値)を掛けた値です。
必要とされる接続の数は 12 です。
注: デフォルトでは、VDDK バックアップは vmdkReaderCount の値として 4 を使用します。VDDK の vmdkReaderCount の値を変更する方法は、「VDDK を使用した同時読み取り操作の数の設定」を参照してください。
例: ジョブが 4 つの VM で構成されています。VM1 は 5 つのディスクを含んでいます。VM2、VM3 および VM4 は、それぞれ 4 つのディスクを含んでいます。ジョブでは 3 つのストリームが指定されています。
接続数は、5 (VM1) + 4 (VM2) + 5 (VM3)です。
必要な接続の数は、14 です。Arcserve Backup では、VM1、VM2、または VM3 のバックアップが完了した後、VM4 をバックアップします。