自動化用の実行前/実行後スクリプトの管理
実行前/実行後スクリプトを使用すると、ジョブ実行の特定の段階でユーザ独自のビジネス ロジックを実行できます。コンソールのバックアップ ウィザードおよびリストア ウィザードの[実行前/後スクリプトの設定]でスクリプトを実行するタイミングを指定できます。設定によっては、スクリプトをバックアップ サーバ上で実行できます。
実行前/実行後スクリプトの管理には 2 段階のプロセスがあります。実行前/実行後スクリプトの作成と、prepost フォルダへのスクリプトの保存です。
実行前/実行後スクリプトの作成
以下の手順に従います。
- root ユーザとしてバックアップ サーバにログインします。
- ユーザ指定のスクリプト作成言語で、環境変数を使用してスクリプト ファイルを作成します。
実行前/実行後スクリプトの環境変数
スクリプトを作成するには、以下の環境変数を使用します。
D2D_JOBNAME
ジョブの名前を特定します。
D2D_JOBID
ジョブ ID を特定します。ジョブ ID は、ユーザがジョブを実行するときに、ジョブに指定される数値です。再度同じジョブを実行する場合は、新しいジョブ番号を取得します。
D2D_TARGETNODE
バックアップされているかリストアされるノードが識別されます。
D2D_JOBTYPE
実行中のジョブの種類が識別されます。以下の値により D2D_JOBTYPE 変数が識別されます。
backup.full
ジョブがフル バックアップとして識別されます。
backup.incremental
ジョブが増分バックアップとして識別されます。
backup.verify
ジョブが検証バックアップとして識別されます。
restore.bmr
ジョブがベア メタル復旧(bmr)として識別されます。これはリストア ジョブです。
restore.file
ジョブがファイル レベル リストアとして識別されます。これはリストア ジョブです。
D2D_SESSIONLOCATION
復旧ポイントが保存されている場所が識別されます。
D2D_PREPOST_OUTPUT
一時ファイルが示されます。一時ファイルの最初の行の内容がアクティビティ ログに表示されます。
D2D_JOBSTAGE
ジョブの段階が示されます。以下の値により D2D_JOBSTAGE 変数が識別されます。
pre-job-server
ジョブの開始前にバックアップ サーバで実行するスクリプトが識別されます。
post-job-server
ジョブの完了後にバックアップ サーバで実行するスクリプトが識別されます。
pre-job-target
ジョブの開始前にターゲット マシンで実行するスクリプトが識別されます。
post-job-target
ジョブの完了後にターゲット マシンで実行するスクリプトが識別されます。
pre-snapshot
スナップショットのキャプチャ前にターゲット マシンで実行するスクリプトが識別されます。
post-snapshot
スナップショットのキャプチャ後にターゲット マシンで実行するスクリプトが識別されます。
D2D_TARGETVOLUME
バックアップ ジョブ中にバックアップされるボリュームが識別されます。この変数は、バックアップ ジョブ用のスナップショット実行前/実行後スクリプトに適用可能です。
D2D_JOBRESULT
ジョブ実行後スクリプトの結果が識別されます。以下の値により D2D_JOBRESULT 変数が識別されます。
success
結果が成功として識別されます。
fail
結果が失敗として識別されます。
D2DSVR_HOME
バックアップ サーバがインストールされているフォルダが識別されます。この変数は、バックアップ サーバ上で実行されるスクリプトに適用可能です。
D2D_RECOVERYPOINT
バックアップ ジョブによって作成された復旧ポイントを特定します。この値は、バックアップ後のスクリプトにのみ適用可能です。
D2D_RPSSCHEDULETYPE
RPS 上のデータ ストアをバックアップする場合のスケジュールの種類を特定します。以下の値により D2D_ RPSSCHEDULETYPE 変数が特定されます。
daily
スケジュールが日次バックアップとして特定されます。
weekly
スケジュールが週次バックアップとして特定されます。
monthly
スケジュールが月次バックアップとして特定されます。
スクリプトが作成されます。
注:すべてのスクリプトで、ゼロの戻り値は成功を示し、ゼロ以外の戻り値は失敗を示します。
prepost フォルダへのスクリプトの配置と確認
バックアップ サーバのすべての実行前/実行後スクリプトは、以下の場所の prepost フォルダで一元管理されます。
/opt/Arcserve/d2dserver/usr/prepost
以下の手順に従います。
- バックアップ サーバの以下の場所にファイルを配置します。
/opt/Arcserve/d2dserver/usr/prepost
- スクリプト ファイルに実行権限を付与します。
- Arcserve UDP エージェント(Linux) Web インターフェースにログインします。
- バックアップ ウィザードまたはリストア ウィザードを開き、[拡張]タブに移動します。
- [実行前/後スクリプトの設定]ドロップダウン リストでスクリプト ファイルを選択して、ジョブをサブミットします。
- [アクティビティ ログ]をクリックして、スクリプトが指定されたバックアップ ジョブに対して実行されることを確認します。
スクリプトが実行されます。
実行前/実行後スクリプトが正常に作成され、prepost フォルダに配置されました。