パフォーマンス最適化のためのファイル コピー設定
パフォーマンス(アップロード速度およびサーバ負荷)を改善するために、ファイル コピーでは、同時に複数のチャンクおよびスレッドを使用して、指定されたデスティネーションにデータをアップロードできます。
チャンク値
デスティネーションに同時に送信される 1 MB チャンクの数を設定できます。パラレル チャンクの数を増やすことでジョブの完了にかかる時間を減らすことができますが、これは、サーバのパフォーマンスに悪影響を与えます。最適なパフォーマンスが得られるように、必要に応じてこの値を設定してください。
たとえば、10 MB のファイルのファイル コピーを実行しており、1 MB チャンクの数を 2 に設定している場合、ファイル コピーは一度に 2 つずつ、10 のチャンクを書き込みます。ジョブの完了まで時間がかかる場合は、この値を 4 に変更します。これにより、ファイル コピーは一度に 4 つずつ 10 のチャンクを書き込むため、ジョブの完了にかかる時間は減りますが、サーバの負荷は増えます。
アーカイブのスレッド値
ファイル コピーでは、一度に複数のファイルをコピーできます。デフォルトでは、デスティネーションがファイル システムに設定されている場合、ファイル コピーでは同時に 8 ファイルを転送し、デスティネーションがクラウドに設定されている場合は、同時に 32 ファイルを転送します。ファイル コピーのデータ転送に時間がかかる場合は、スレッド数を最大 32 まで増加させてパフォーマンスを最適化します。ただし、メモリが少ないマシン上で問題が発生する場合は、スレッド数を減少させてください。
チャンク値とアーカイブのスレッド値を同時に使用して、ファイル コピーの速度を制御することができます。チャンク値とアーカイブのスレッド値を増加させると、ファイル コピーのパフォーマンスが向上します。
たとえば、サイズが 10 MB の 8 ファイルを同時に転送しており、1 MB チャンクの数を 2 に設定した場合、ファイル コピーの書き込み数は一度に 16 (8 ファイル x 2 MB チャンク)になりますが、サーバの負荷は増加します。サーバの負荷が問題となるレベルまで増加した場合は、スレッド数を減少させてください。デスティネーションがクラウドの場所である場合、書き込み数が 20 以上となるようにこれらの設定を変更して、パフォーマンスを最適化することを推奨します。
リストアのスレッド値
ファイル コピーからのリストアでは、一度に複数のファイルをダウンロードできます。デフォルトでは、ファイル コピーの場所がファイル システムに設定されている場合、ファイル コピーからのリストアでは同時に 8 ファイルをダウンロードし、ファイル コピーの場所がクラウドに設定されている場合は、同時に 32 ファイルをダウンロードします。ファイル コピーからのリストアのデータ転送に時間がかかる場合は、スレッド数を最大 32 まで増加させます。
注:チャンク値はリストア ジョブには適用されません。
カタログ同期のスレッド値
カタログ同期ジョブでは、複数のスレッドを使用してパフォーマンスを最適化できます。
カタログ同期ジョブのデータ転送に時間がかかる場合は、スレッド数を最大 10 まで増加させます。ジョブのパフォーマンスが向上し、サーバの負荷は増加します。サーバの負荷が問題となるレベルまで増加した場合は、スレッド数を減少させてください。
ファイル コピー設定を変更してパフォーマンスを最適化するには、対応する DWORD 値を以下のように設定します。
- レジストリ エディタを開きます。
- 以下のキーを検索します。
- 注:ファイル コピーのデスティネーションがファイル システムまたはクラウドのいずれであっても、同じレジストリ キーが使用されます。
"HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Arcserve\Unified Data Protection\Engine\AfArchiveDll"
- デスティネーションに同時に送信される 1 MB チャンク数の値を変更するには、以下の手順に従います。
- 「ArchMultChunkIO」の DWORD 値を手動で作成します。
- DWORD 値を割り当てます。
- 指定できるチャンク数の範囲は 1 ~ 4 です。
- デフォルト:4 チャンク
- 最大:4 チャンク
- コピー デスティネーションに同時に転送されるスレッド(ファイル)数の値を変更するには、以下の手順に従います。
- 「ThreadsForArchive」の DWORD 値を手動で作成します。
- DWORD 値を割り当てます。
- 指定できるファイル数の範囲は 1 ~ 32 です。
- デフォルト:デスティネーションがファイル システムに設定されている場合は 8 ファイル、デスティネーションがクラウドの場所に設定されている場合は 32 ファイル。
- 最大:32
- コピー デスティネーションから同時にダウンロードできるファイル コピー数の値を変更するには、以下の手順に従います。
- 「ThreadsForRestore」の DWORD 値を手動で作成します。
- DWORD 値を割り当てます。
- 指定できるファイル数の範囲は 1 ~ 32 です。
- デフォルト:コピー デスティネーションがファイル システムに設定されている場合は 8 ファイル、コピー デスティネーションがクラウドの場所に設定されている場合は 32 ファイル。
- 最大:32
- カタログ同期の実行で同時に使用できるスレッド(ストリーム)数の値を変更するには、以下の手順に従います。
- 「ThreadForCatalogSync」の DWORD 値を手動で作成します。
- DWORD 値を割り当てます。
- 指定できるファイル数の範囲は 1 ~ 10 です。
- デフォルト:8 スレッド
- 最大:10