CA ARCserve Backup では、Disaster Recovery Option をインストールせずに CA ARCserve Backup サーバに対して完全な惨事復旧を実行できます。 この機能を有効にするには、後述の「CA ARCserve Backup サーバの復旧」に記載されている手順を完了する必要があります。 復旧する CA ARCserve Backup サーバがプライマリ サーバまたはスタンドアロン サーバである場合は、後述の「CA ARCserve Backup データベースの回復」の手順も完了する必要があります。
この手順は、以下の作業から構成されます。
重要: ジョブ キューは、ARCserve のプライマリ サーバまたはスタンドアロン サーバにリストアする必要があります。 ARCserve ドメインに含まれるメンバ サーバへ、ジョブ キューをリストアしないでください。
注: このタスクは、ドメイン コントローラとして機能する CA ARCserve Backup サーバにのみ適用されます。
以下の動作に注意してください。
システム予約済みボリュームを新しく作成するときは、MBR (マスタ ブート レコード)ディスクのプライマリ パーティションにのみ、システム予約済みボリュームを作成できることに注意してください。 システム ボリュームとブート ボリュームを組み合わせると、BitLocker 機能を使用してコンピュータ上のボリュームを暗号化することはできません。
以下の手順に従います。
bcdboot.exe C:¥Windows /s F:
DISKPART> select volume F
DISKPART > active
注: 以前の設定に戻すには、元のシステム ボリュームを使用してこれらと同じ手順を繰り返して、ドライブ文字(たとえば D:)を割り当てます。
CA ARCserve Backup サーバを復旧する方法
重要: CA ARCserve Backup サーバを復旧する前に、CA ARCserve Backup サーバのフル バックアップを最低 1 回は実行しておく必要があります。
ハードディスクのパーティション、ハードウェア、およびオペレーティング システム(バージョン、エディション、およびサービスパック)の構成が、バックアップした構成と同一であることを確認します。
フル バックアップ セッションを指定します。
マシンのバックアップ セッションを選択します。その際、以下の CA ARCserve Backup 固有のセッションはすべて除外します。
注: リストアの際に CA ARCserve Backup カタログ データベース セッションを選択した場合、リストア ジョブをサブミットした後に、CA ARCserve Backup マネージャ コンソールを閉じる必要があります(CA ARCserve Backup では、デフォルトでカタログ データベースが有効です)。 これにより、リストア プロセスによってカタログ データベースを上書きできるようになります。 ジョブ ステータス マネージャまたはジョブ モニタを再度開いてジョブ ステータスを監視することはできますが、ジョブが完了するまで、リストア マネージャまたはデータベース マネージャを開かないでください。
リストア マネージャのオプション ダイアログ ボックスが表示されます。
[操作]タブをクリックし、[レジストリ ファイルおよびイベント ログをリストア]オプションをクリックして[OK]をクリックします。
[オプション]ダイアログ ボックスが閉じます。
[セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスが開きます。
注: Windows Server 2003 64 ビット、Windows Server 2008、および Windows Server 2012 システムでは、このフィールドに入力する必要があります。
注: Windows Server 2003 64 ビット、Windows Server 2008、および Windows Server 2012 システムでは、このフィールドに入力する必要があります。
[セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスで、[編集]をクリックし、選択したセッションのユーザ名、パスワード、および IP アドレスを変更します。
[ユーザ情報]ダイアログ ボックスが開きます。
注: IP アドレスとパスワードを編集するときは、個々の IP アドレスと個々のセッションのセッション パスワードを編集する必要があります。
[OK]をクリックします。
[ユーザ情報]ダイアログ ボックスが閉じます。
注: [OK]をクリックした後で、CA ARCserve Backup というメッセージ ボックスが開く場合があります。このメッセージ ボックスに表示されるメッセージにより、リストア ジョブのサブミットに認証を必要とするセッションに対して IP アドレスを指定するよう指示されます。 CA ARCserve Backup ダイアログ ボックスが開いた場合は、すべてのセッションがジョブをサブミットするようにすべての IP アドレスを指定し、[OK]をクリックします。
リストア ジョブがサブミットされます。
以下の動作に注意してください。
CA ARCserve Database Engine サービスおよび SQL Server サービスを停止します。
[オブジェクト エクスプローラ ペイン]で、<ホスト名>-[セキュリティ]-[ログイン]とドリルダウンします。
元の Windows アカウントを削除します。
例: <ホスト名>¥Administrator
注: このアカウントの削除に関して警告メッセージが表示された場合は、警告メッセージを無視して問題ありません。
SQL Server へのログインに使用する Windows アカウントを追加します。
例: <ホスト名>¥Administrator
データベースのデフォルトの言語を指定します。
このアカウントの [public] および [sysadmin] 権限を指定します。
[プロパティ]ダイアログ ボックスが開きます。
[Data のセキュリティの詳細設定]ダイアログ ボックスが開きます。
注: Windows Server 2008 システムでは、[Data のセキュリティの詳細設定]画面の[詳細]をクリックします。
注: Windows Server 2008 システムでは、[すべての子孫の既存の継承可能なアクセス許可を、このオブジェクトからの継承可能なアクセス許可で置き換える]オプションをクリックします。
CA ARCserve Backup データベースがデータベース データ ファイルを別のディレクトリに格納するように設定されている場合は、このフォルダに対して手順 12、13、および 14 を繰り返してセキュリティ属性を変更します。
次のグループ名が表示されます。
SQLServer2008MSSQLUser$MACHINENAME$ARCSERVE_DB
注: MACHINENAME の値は、使用しているコンピュータ名である必要があります。
Data フォルダに戻ります(手順 12 を参照)。
Data フォルダを右クリックし、コンテキスト メニューから[プロパティ]を選択します。
[プロパティ]ダイアログ ボックスが開きます。
[ユーザ、コンピュータ、またはグループの選択]ダイアログ ボックスが開きます。
手順 14 で控えたグループを追加し、[OK]をクリックします。
[ユーザ、コンピュータ、またはグループの選択]ダイアログ ボックスが閉じます。
[子オブジェクトすべてのアクセス許可エントリを、ここに表示されているエントリで子オブジェクトに適用するもので置換する]オプションをオンにして、[OK]をクリックします。
注: CA ARCserve Backup データベースの設定で、データベース データ ファイルが別のディレクトリに格納するよう指定されている場合、このフォルダに対しても手順 12 ~ 21 を繰り返してセキュリティ属性を変更します。
CA ARCserve Backup データベースを回復する方法
重要: CA ARCserve Backup は、データベースを回復するまで使用できません。 エラー メッセージが CA ARCserve Backup アクティビティ ログに示されることがありますが、無視してかまいません。
[リストア方式]ドロップ ダウン リストから、[セッション単位]を選択します。
リストア ソースとして CA ARCserve Backup データベース セッションを選択します。
[デスティネーション]タブをクリックし、[ファイルを元の場所にリストア]オプションが選択されていることを確認します。
注: 回復する CA ARCserve Backup データベースが、ローカルの SQL Server インスタンスに格納されている場合、CA ARCserve Backup (asdb)をリストアする前に、マスタ(master)データベースをリストアする必要があります。
[操作]タブをクリックし、[データベースに記録しない]オプションを選択して、[OK]をクリックします。
[オプション]ダイアログ ボックスが閉じます。
注: このオプションを選択しないと、リストア ジョブに失敗する可能性があり、その場合はデータベース エンジンを起動できません。 トラブルシューティングの詳細については、「既存の CA ARCserve Backup データベースを再度アクティブ化する方法」の手順を参照してください。
注: ツールバーの[サブミット]ボタンをクリックしてリストア ジョブをサブミットした後で、[セッション ユーザ名およびパスワード]ダイアログ ボックスの[DBAgent]タブでユーザ名とパスワードを指定する必要があります。
リストア処理の間は、データベース エンジン サービスが停止または一時停止し、マネージャ コンソールの反応も遅くなる可能性があります。 回復が行われている間はデータベース エンジンが使用できないので、クライアントはエンジンに接続することができません。 そのため、アクティビティ ログに、エラー E1516 [Staging]「データベースを照会できません(Error=4294967293)」が書き込まれることがあります。データベースの回復において、これは正常な動作です。
リストア ジョブが正常に完了したら、データベース エンジンが自動的に再開され、CA ARCserve Backup も通常のパフォーマンスに戻ります。
既存の CA ARCserve Backup データベースを再度アクティブ化する方法
このタスクは省略可能です。 これまでの手順で正しいオプションが選択されなかった等の理由でリストア ジョブに失敗した場合、リストア ジョブの実行中にデータベースがオフライン状態に設定されている可能性があります。 その結果、データベース エンジンがリストア時に CA ARCserve Backup データベースにアクセスできなくなることがあります。 その場合は、以下の手順を実行して、既存の CA ARCserve Backup データベースを再度アクティブにします。
注: このスクリプトは Microsoft SQL CLI ユーティリティである「sqlcmd」を使用し、一連のコマンドを実行して CA ARCserve Backup データベースをオンラインに戻します。
スクリプトの実行後、データベース エンジン サービスは再開します。
注: ジョブを開始する前に、[データベースに記録しない]および[リストアで強制的に既存ファイルまたはデータベースに上書きする]オプションが選択されていることを必ず確認してください。
ジョブ キュー セッションを回復する方法
注: ジョブ キュー セッションを選択すると、CA ARCserve Backup では、ジョブ キュー セッションのマージが必要になる場合があります。
[はい]をクリックして、ジョブ キュー セッションの回復を続行します。
注: リストア先に指定した別の場所は空であることを確認してください。
すべての CA ARCserve Backup サービスが停止します。
すべての CA ARCserve Backup サービスが開始します。
注: リストアに使用したバックアップ ジョブの状態は、「クラッシュ」になります。 ジョブ キューがバックアップされると、そのジョブの状態は「アクティブ」ですが、対応するプロセスはこの時点で実行されていません。 そのため、ジョブの状態が「クラッシュ」になります。これにより、エラー メッセージ E1311 「ジョブはクラッシュしています」がアクティブ ログに書き込まれます。 これはジョブ キュー セッションの回復において珍しいエラーではありません。
Active Directory の回復
システムの再起動後、F8 キーを押します。
[詳細オプション]メニューが表示されます。
CA ARCserve Backup を起動します。
以下に示すエラー メッセージ E3073 が表示されます。
「ユーザとしてログオンできません。(ユーザ=Administrator, エラー=LOGON FAILURE)」または「W3073 ユーザとしてログオンできません。(ユーザ=Administrator, エラー=LOGON FAILURE)」
[リストア方式]ドロップ ダウン リストから、[セッション単位]を選択します。
「システム状態」セッションを検索し、選択します。
以下のいずれかのオプションを実行します。
Windows Server 2003 システムの場合
[システム状態リストア オプション]ダイアログ ボックスが表示されます。下図のようにオプションを選択し、クォーラム ドライブのドライブ文字を明示します。
手順 4 に進みます。
Windows Server 2008 以降のシステムの場合
[グローバル オプション]ダイアログ ボックスが表示されます。
[レジストリ ファイルおよびイベント ログをリストア]をクリックし、[OK]をクリックします。
[グローバル オプション]が適用されます。
注: 権限付きモードで Active Directory をリストアするために、CA ARCserve Backup は CA ARCserve Backup サーバ上で NTDSUTIL.exe を実行します。 ただし、NTDSUTIL.exe はリストア ジョブと非同期に実行されるので、リストア ジョブと同時に完了しない場合があります。 同時に完了しなかった場合は、NTDSUTIL.exe の完了後にシステムを再起動してください。 NTDSUTIL.exe が正常に完了しているか確認するには、Windows タスク マネージャを開き、[プロセス]をクリックし、NTDSUTIL.exe を検索します。 Windows タスク マネージャに TDSUTIL.exe が表示されなければ、NTDSUTIL.exe は完了していることになるので、システムを再起動できます。
Windows Server 2008 以降のシステムの Authoritative Active Directory を回復するには、以下の手順に従います。
Active Directory がリストアされます。
リストア ジョブの完了後、システムを再起動します。
CA ARCserve Backup 製品ライセンスの確認
フル リストアの完了後、製品ライセンスを確認する必要があります。 現在の CA ARCserve Backup ライセンスは、フル バックアップを実行した際の状態にリストアされています。 フル バックアップ後に新規ライセンスを適用している場合、または他のサーバに動的にライセンスを割り当てている場合、ライセンス エラーが発生する可能性があります。 その場合は、製品ライセンスを登録または調整してください。
エラー メッセージ
CA ARCserve Backup サーバを復旧した場合、システム構成に応じて、以下のようなエラー、警告、失敗の監査のメッセージがシステム イベント ログに記録される場合があります。 これらのメッセージは、復旧の過程で発生するもので、CA ARCserve Backup サービスおよび SQL Server サービスの開始順序に関連しています。
復旧中に以下のエラーが、CA ARCserve Backup から報告されることがあります。
このエラー メッセージは、復旧された MSDB で「サービス ブローカ」が無効に設定されているために発生します。 これは SQL Server 2008 Express Edition に限定されたシステム データベースの回復におけるデフォルトの動作で、このエラーは無視できます。 SQL Server 2000 および SQL Server 2005 では、この現象は見られません。
このエラーは、以下を行うことにより回避できます。
SQLcmd -S <マシン名>¥<インスタンス名>
例:
C:¥Users¥Administrator>sqlcmd -S localhost¥ARCSERVE_DB
select name,is_broker_enabled from sys.databases go
alter database msdb set enable_broker go
select name,is_broker_enabled from sys.databases go Quit
コマンド プロンプトを閉じます。
CA ARCserve Backup は、復旧処理の終了後に以下のエラー状態の修正を行います。
このエラー メッセージは、SQL Server が単一の CA ARCserve Backup データベースを構成している場合、CA ARCserve Backup Disaster Recovery Option を使用せずに master のリストアが実行されると発生します。 SQL Server 2008 Express Edition が CA ARCserve Backup データベースをホストする場合は発生しない可能性があります。
CA ARCserve Backup Agent for Microsoft SQL Server では、インスタンス全体が選択された場合でも、tempdb データベースはバックアップされません。 CA ARCserve Backup サーバおよび File System Agent の通常のファイル システム バックアップでも tempdb は除外されます。 しかし、tempdb は SQL Server マスタ データベースの既存データベースとして記録されています。そのため、マスタがリストアされると、SQL Server サービスで tempdb が見つからないというエラーが報告されます。
このエラー メッセージは、CA ARCserve Backup Disaster Recovery Option を使用しないでシステム状態のリストアが実行された場合、復旧処理の間に発生します。 SQL Server 2008 Express Edition または SQL Server を使用して CA ARCserve Backup データベースをホストすることもできます。
Disaster Recovery Option を使用しないで CA ARCserve Backup サーバを復旧すると、Windows オペレーティング システムおよび SQL Server が再インストールされ、SQL Server のサービス マスタ キー(SMK)が作成されます。 サービス マスタ キー(SMK)は、すべてのデータベース マスタ キーおよびサーバ レベルの機密データ(認証情報または接続先サーバのログイン パスワードなど)を暗号化するために使用されます。
このキーは 128 ビットの 3DES キーです。 SMK は DPAPI およびサービス アカウント認証情報を使用して暗号化されます。 システム状態がリストアされ、SQL Server セッションがまだリストアされていない場合、システム状態はリストア処理によって上書きされます。 一方、SQL Server インスタンスはまだ上書きされていません。 SMK はシステム状態にあるため、元のキーに回復されます。これにより、SQL Server インスタンスとの間で不一致が生じます。 この時点で、復旧処理ではオペレーティング システムの再起動が必要になります。
再起動の際、SQL Server では SMK を読み取り、SQL データベースと照合します。 SMK と SQL Server データベースが一致しないため、エラーが発生します。
このエラー メッセージは、ファイルまたはファイルが含まれるフォルダに対するユーザのアクセス権限が正しく設定されていないために発生します。 このトピックに示す手順を使用して、このアクセス権限の設定を調整します。 アクセス権限を調整すれば、このエラーは発生しなくなります。
CA ARCserve Backup サービスおよび SQL Server サービスが適切な順序で開始しない場合、システム ログに SQL Server エラー メッセージが表示されることがあります。 これは既知の問題です。 詳細については、Readme ファイルを参照してください。
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