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VSS 5 の仕組み

Microsoft Volume Shadow Copy Service (VSS)は、Microsoft Windows XP Professional、 Windows Server 2003、および Windows Server 2008 オペレーティング システムに組み込まれています。 VSS は、CA ARCserve Backup、Agent for Open Files、Enterprise Option for VSS Hardware Snap-Shot、および VSS 対応アプリケーションとサービスと共に機能し、単一または複数のボリュームのシャドウ コピーを作成します。

注: CA ARCserve Backup では、Windows XP でのライタをサポートしていません。 これは、Windows Server 2003 では必須のライタ サポートの一部が、Windows XP オペレーティング システムには含まれていないことが原因です。

シャドウ コピーは、ボリュームのファイル システムのフリーズされた読み取り専用のコピーで、コピー元のボリュームとは別のボリュームに置かれることがあります。 シャドウ コピー ボリュームは元のデータと同じサーバにあってもかまいませんが、その場合も別の共有ポイントかマウント ポイント、またはネットワークに接続された別のボリュームに置かれます。

ボリュームのシャドウ コピーはある時点で作成され、ボリューム セット全体で同期化されます。 不整合を回避するため、個々のファイルのシャドウ コピーを取ることはできません。

シャドウ コピー ボリュームが作成される場所に関係なく、CA ARCserve Backup ではバックアップのソースとしてシャドウ コピーが使用されます。 別のディスクやテープ デバイスにシャドウ コピー ボリュームをバックアップ(マイグレート)することもできます。

シャドウ コピー方式を使用したバックアップの実行には、従来のバックアップ方式にはない利点が 2 つあります。

オープン ファイルもバックアップされます。

シャドウ コピーを作成するときに開いていたファイルは、シャドウ ボリューム上では閉じられているファイルとして表示されます。 シャドウ コピーのデータをバックアップすると、オープン ファイルもバックアップされます。

ワークフローが中断されません。

CA ARCserve Backup がバックアップするデータはシャドウ ボリューム上にあるため、バックアップ データの整合性に影響を与えずに元のボリューム上で継続して作業できます。

従来のバックアップ操作では、オープン ファイルはスキップされてバックアップには含まれません。 より高品質のバックアップを得るため、管理者はバックアップのための時間を確保して、バックアップされるアプリケーションをユーザが使用できなくしていました。 アプリケーションが使用できなくなると作業が続行できなくなるため、ユーザはバックアップが終了するまで待ってから作業をする必要がありました。

VSS バックアップに含まれているアプリケーションが VSS に対応していない場合、アプリケーションのすべてのデータ(オープン ファイルを含む)はシャドウ コピーに書き込まれます。 しかし、アプリケーションはバックアップの開始前にファイルを準備できないため、データに不整合があったり、トランザクションが不完全な場合があります。

ボリュームのシャドウ コピーには、たとえクラッシュ整合状態であっても、すべてのファイルが含まれます。 シャドウ コピーなしで作成されたバックアップ セットには、バックアップ時に開いていたファイルは含まれません。 これらのファイルは、バックアップから除外されます。