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データの整合性の問題

データの整合性を保証するには、ある時点でファイルのバックアップ コピーが元のファイルと完全に一致している必要があります。ただし、ファイルのコピーは瞬時に完了できる処理ではありません。ファイル サイズが非常に小さい場合を除いて、バックアップ クライアントはファイルからの読み取りとバックアップ メディアへの書き込みを数回実行することで、完全なコピーを作成します。バックアップ クライアントで、ファイルのコピー中にほかのアプリケーションによってそのファイルが変更されていないことを確認できない場合、コピーされたデータの整合性に問題が発生することがあります。

例:Copy eight successive read and write operations

この例は、データの整合性の問題を示しています。ファイルは、8 回連続の読み取り/書き込み処理によってコピーされます。

データの整合性の問題

バックアップ クライアントは各ブロックを順番にコピーします。バックアップが半分ほど終了したころ、あるアプリケーション プログラムがブロック2とブロック6に小さな変更を加えたとします。この場合、バックアップではブロック6への変更には対応できますが、ブロック2はすでにコピーが実行されているため対応できません。したがって、バックアップ コピーには部分的なトランザクションが含まれてしまうため、そのファイルを作成したアプリケーションによって破損ファイルと認識され、バックアップは役に立たないものになってしまう恐れがあります。

これは、データベース アプリケーションでよく発生する問題です。データベースの場合、複数のユーザが特定のファイルへのアクセスを同時にリクエストするだけでなく、単一のトランザクションであっても、ファイル(またはファイル グループ)内のさまざまな箇所に多数の小さな変更を加える可能性が高いからです。