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データベース レベルのバックアップ計画

バックアップ計画で検討すべき事柄は多くあります。バックアップ時間、リストア時間、サーバおよびストレージ デバイス、使用可能なメディアの量、メディアの保存期間、ネットワークの帯域幅、サーバの負荷、データベースのサイズなどが挙げられます。そのため、バックアップ計画は、環境およびハードウェア構成によって異なります。

バックアップを計画する場合、まず組織において Exchange Server のバックアップに毎週どのくらいの時間を割り当てることができるかを見積もる必要があります。このとき、リストアにおいて最も時間を要するのがログ ファイルの再生であることに注意してください。前回のバックアップ以降に発生した各トランザクションをスキャンする必要があるため、フル バックアップ回数によっては、大規模なサーバのリストア時に、ログ ファイルの再生に数時間かかることもあります。さらに、トランザクション ログの再生の速度は、再生するトランザクションの種類によって異なります。再生時間をより正確に推定するには、ログ ファイルのテスト リストアを行ってみる必要があります。

リストア時間を判断した後で、環境とリソースがバックアップ計画に適したものであるかどうかを考慮する必要があります。

Exchange Server 2007 CCR および Exchange Server 2010/2013/2017 データベース可用性グループ(DAG)環境では、アクティブ データベースのパフォーマンスへの影響を避けるため、デフォルト バックアップ ソースを使用してください。デフォルトでは、データベースはレプリカからバックアップされ、利用可能な正常なレプリカがない場合のみ、アクティブ データベースからバックアップされます。Exchange Server 2010/2013/2017 環境では、1 つのデータベースに対して複数のレプリカが存在する場合、レプリカのデフォルト選択順序はデータベースのコピー優先順位に従います。最初のコピーが最初に使用されます。

以下の表では、いくつかのバックアップ計画例と、その利点と欠点を示します。最大限の保護効果を得るには、フル バックアップと増分バックアップを毎日行う必要がありますが、組織のニーズに合わせてバックアップ計画をカスタマイズすることができます。最低限必要なことは、少なくとも稼動日には毎日バックアップを行い、週に 1 回フル バックアップを行うということです。

バックアップ計画

利点

欠点

毎日のフル バックアップと増分バックアップ *

保護の頻度が高い

リストア時間が短い

メディアの使用量が多い

毎日のフル バックアップのみ

保護の頻度が適度である

リストア時間が短い

メディアの使用量が多い

少なくとも週に1回のフル バックアップを含めた毎日の差分バックアップ

保護の頻度が適度である

メディア使用量が少ない

リストア時間が変動的

* この場合、フル バックアップと増分バックアップは約 12 時間の間隔を置いてスケジュールします。