グローバル バックアップとローカル バックアップの動作方法
バックアップ オプションを指定して、VM に保存されているデータの Arcserve Backup によるバックアップ方法を定義できます。Arcserve Backup では、以下のバックアップ オプションを使用してバックアップ データを処理できます。
- ファイル モード: VM にあるデータを個別のファイルおよびディレクトリとしてバックアップします。ファイル モード バックアップでは、ファイル レベルの精度で VM バックアップ データをリストアできます。デフォルトでは、エージェントは ESX Server のすべてのバージョンおよびすべてのバックアップに対して常に VDDK を使用します。
- raw (フル VM)モード: VM にあるデータのフル イメージをバックアップします。raw (フル VM)モードを使用すると、惨事復旧操作に使用できるデータをバックアップできます。
- 混在モード: データのフル バックアップを raw (フル VM)モードで実行し、増分および差分バックアップをファイル モードで実行します。混在モード バックアップでは、スケジュールされたバックアップおよび GFS ローテーション バックアップを実行できます。さらに、混在モード バックアップは、週単位では raw (フル VM)で効率的にフル バックアップを実行し、日単位ではファイル レベルの精度で増分および差分バックアップを実行できるという点で優れています。
- 注: 混在モード バックアップは、デフォルトのバックアップ モードです。
- ファイル レベル リストアを許可する -- ファイル レベルの単位で raw (フル VM)モード バックアップおよび混在モード バックアップをリストアします。
- 注: raw (フル VM)バックアップから細かいファイル レベル リストアを実行するには、VM 上で Arcserve Backup サーバ名を指定する必要があります。詳細については、「Arcserve Backup サーバ名の指定」を参照してください。
次の画面は、[グローバル オプション]ダイアログ ボックスで指定できる VM バックアップ モードを示しています。
バックアップ モードは、グローバル バックアップ オプションまたはローカル バックアップ オプションのいずれかとして指定できます。
- グローバル バックアップ オプション: VMware システムおよび Hyper-V システムの VM に関するバックアップ ジョブすべてにバックアップ モードをグローバルに適用します。詳細については、「グローバル バックアップ オプションとしてバックアップ モードを指定」を参照してください。
- ローカル バックアップ オプション: バックアップ モードを個別の VMware および Hyper-V VM にジョブ レベルで適用します。詳細については、「ローカル バックアップ オプションとしてバックアップ モードを指定」を参照してください。
注: バックアップ モードをグローバル レベルとローカル レベルで指定すると、Arcserve Backup では常に、個別の VM に指定したローカル バックアップ オプションを使用してバックアップ ジョブが実行されます。
次のテーブルでは、バックアップ モードの動作方法について説明します。
指定されたバックアップ モード |
指定されたグローバルの増分/差分方式 |
VMware システムの結果 |
Hyper-V システムの結果 |
混在(グローバル オプションまたはローカル オプションとして指定) |
VDDK の使用 |
Arcserve Backup は、VDDK を使用して、raw (フル) VM バックアップ データおよびファイル モード バックアップ データ(増分および差分バックアップ)を処理します。 混在モードのバックアップでは、デフォルトで、VDDK を使用して raw (フル)モードのバックアップおよびファイル モードのバックアップを処理します。 |
Arcserve Backup は、VSS Hyper-V Writer を使用して週単位のフル バックアップを raw モードで処理し、VM で実行している Agent for Virtual Machines で後続の日単位の増分および差分バックアップをファイル モードで処理します。 注: [VDDK の使用]グローバル オプションは、Hyper-V システムのバックアップに影響しません。 |
例: バックアップ オプションの適用方法
データを効率的な raw(フル VM)モードでバックアップし、データをファイル レベルの精度でリストアできるようにするには、デフォルトのバックアップ モード オプションをそのまま利用して、それらをすべてのバックアップにグローバルに適用することをお勧めします。サポートされている Windows 以外のオペレーティング システムを実行している VM などの単一 VM を保護するには、個別の VM にバックアップ オプションを指定するか、または、ローカル バックアップ オプションとして指定し、保持することによって、オプションはすべてのバックアップに対してグローバルに指定されます。
多くのサーバに VM がインストールされているバックアップ環境を例にします。バックアップの大部分は、ローテーション バックアップが必要な VM が対象です。それ以外は、ファイル レベル モードでのフルバックアップが必要であるとします。環境設定を簡単にするには、混在モード バックアップをすべてのバックアップに対してグローバルに適用し、その後、ファイル レベルのバックアップが必要なサーバに対してローカルでファイル レベル バックアップ モードを適用します。