前のトピック: バックアップ設定の管理

次のトピック: 将来のバックアップ スペース要件の推定


保護設定の指定

バックアップされる情報の保護設定により、バックアップ データがあらゆる形のデータ損失から確実に保護(コピーおよび保存)されます。

注: バックアップ設定に関連するビデオを閲覧するには、「バックアップ設定の管理」を参照してください。

保護設定の指定

  1. CA ARCserve D2D ホーム画面(または CA ARCserve D2D モニタ)で、タスクバーから[設定]を選択し、[バックアップ設定]タブを選択します。 [バックアップ設定]ダイアログ ボックスが開いたら、[保護設定]を選択します。

    [バックアップ設定]の[保護設定]ダイアログ ボックスが表示されます。

    今すぐバックアップ - 保護設定

  2. バックアップ先を指定します。

    バックアップ場所としてローカル パス(ボリュームまたはフォルダ)、またはリモート共有フォルダ(またはマップされたドライブ) を指定できます。また、バックアップ先を参照して指定することもできます。

    緑色の矢印アイコン ボタンをクリックすると、指定した場所への接続を検証できます。

    1. ローカル パス(ボリュームまたはフォルダ)にバックアップする場合、バックアップ ソースと同じ場所をバックアップ先に指定することはできません。 バックアップ先にバックアップ ソースが含まれている場合、バックアップ ジョブではそのソースが無視され、バックアップには含まれません。

      例: ボリューム C、D および E で構成されるローカル マシン全体をバックアップしようとし、デスティネーションとしてボリューム E を指定したとします。 この場合、CA ARCserve D2D はボリューム C および D のみをボリューム E にバックアップします。 ボリューム E のデータはバックアップに含まれません。 ローカル ボリュームをすべてバックアップする場合は、バックアップ先としてリモート ロケーションを指定する必要があります。

      重要: 指定したデスティネーション ボリュームにシステム情報が含まれていないことを確認してください。 システム情報が含まれていると、そのボリュームは保護(バックアップ)されず、必要が生じてベア メタル復旧(BMR)を実施したときにシステムの復旧が失敗します。

      注: ダイナミック ディスクのリストアはディスク レベルでのみ実行できます。 ダイナミック ディスク上のボリュームにデータがバックアップされた場合、このダイナミック ディスクを BMR 実行中にリストアすることはできません。

    2. リモートの共有場所にバックアップする場合は、その場所へのパスを入力するか、その場所を参照して選択します。 また、リモート マシンにアクセスする際に、ユーザ認証情報(ユーザ名とパスワード)を入力する必要があります。
    3. 前回のバックアップの実行後にバックアップ先が変更された場合、バックアップの種類としてフル バックアップまたは増分バックアップを選択します。 これらのオプションは、バックアップ先を変更した場合にのみ有効になります。 デフォルト オプションは[フル バックアップ]です。
      フル バックアップ

      実行される次のバックアップはフル バックアップになります。 新しいバックアップ先には、古いバックアップ先との依存関係はありません。 フル バックアップを続行する場合、バックアップを続行するために前の場所を指定する必要はありません。 古いバックアップをリストア用として保持することも、そこからリストアを実行しない場合は削除することもできます。 古いバックアップは将来のバックアップに影響しません。

      増分バックアップ

      実行される次のバックアップは増分バックアップになります。 次の増分バックアップを新しいバックアップ先に対して実行する場合は、前回のバックアップ先にあるバックアップをすべてコピーすることはありません。 ただし、このオプションでは、変更に増分データのみが含まれるため(フル バックアップ データではない)、新しいバックアップ先には前回のバックアップ先との依存関係があります。 前回のバックアップ先からデータを削除しないでください。 バックアップ先を別のフォルダに変更し、増分バックアップの実行時に前回のバックアップ先が存在しない場合、バックアップは失敗します。

  3. バックアップ ソースを指定します。

    マシン全体または選択されたボリュームをバックアップできます。

    マシン全体をバックアップする

    マシン全体をバックアップします。 マシン上のすべてのボリュームがバックアップされます。

    注: マシン全体のバックアップが選択された場合、CA ARCserve D2D は現在のマシンに接続されているすべてのディスク/ボリュームを自動的に検出し、それらをバックアップ対象に追加します。

    例: バックアップ設定の実行後に新しいディスクがマシンに接続された場合でも、バックアップ設定を変更する必要はなく、新しいディスク上のデータは自動的に保護されます。

    バックアップする個々のボリュームを選択する

    このボリューム フィルタ機能を使用すると、選択したボリュームのみをバックアップできます。 また、リスト内のすべてのボリュームを選択または選択解除することもできます。

    注: 一部のボリュームがバックアップ対象として明示的に選択されている場合は、選択されたボリュームのみがバックアップされます。 新しいディスク/ボリュームがマシンに接続された場合、そのディスク/ボリューム上のデータを保護するにはボリューム選択リストを手動で変更します。

    このオプションを選択すると、利用可能なすべてのボリュームが表示され、対応するボリューム情報および通知メッセージが示されます。

    注: Extensible Firmware Interface (EFI)に準拠するコンピュータは、EFI システム パーティション(データ ストレージ デバイス上のパーティション)を使用します。 EFI システム パーティションは、ベア メタル復旧(BMR)に不可欠です。 そのため、UEFI システム上のブート ボリューム 「C」 を選択すると、EFI システム パーティションが BMR 用のバックアップ ソースとして自動的に選択され、情報メッセージが表示されます。

    保護設定 - ボリュームの選択

    • 名前 - ボリューム ドライブ文字、マウント ポイント、ボリューム GUID (Globally Unique Identifier)名。
    • レイアウト - シンプル、スパン、ミラー、ストライプ、RAID5 (Microsoft ダイナミック ディスク上での RAID 5 ボリュームのバックアップはサポートされていませんが、ハードウェア RAID のバックアップはサポートされています)。
    • 種類 - ベーシック、ダイナミック
    • ファイル システム - NTFS、FAT、FAT32 (FAT と FAT32 のバックアップはサポートされていません)
    • コンテンツ - アプリケーション (SQL/Exchange)、システム、ブート、ページ ファイル、アクティブ、リムーバブル デバイス、VHD、2-TB ディスク
    • 合計サイズ - ボリュームの容量
    • 使用容量 - ファイル/フォルダおよびボリューム データによって使用されている容量

      以下のいずれかの条件では、通知メッセージが表示されます。

    • ローカル ボリューム関連

      指定されたバックアップ先がローカル ボリュームにある場合、そのボリュームがバックアップされていないことを通知する警告メッセージが表示されます。

    • BMR 関連

      システム/ブート ボリュームがバックアップ用に選択されていない場合、バックアップをベア メタル復旧(BMR)に使用できないことを通知する警告メッセージが表示されます。

      UEFI システム上のブート ボリューム 「C」 を選択すると、EFI システム パーティションが BMR 用のバックアップ ソースとして自動的に選択され、情報メッセージが表示されます。

    • アプリケーション関連

      バックアップ対象として選択されていないボリュームにアプリケーション データ ファイルが存在する場合、そのアプリケーション名とデータベース名が参照用に表示されます。

  4. 保存設定]を指定します。

    保存設定は、保存する復旧ポイントの数(セッションをマージ)または保存する復旧セットの数(復旧セットを削除し、無限増分バックアップを無効化)に基づいて設定できます。

    デフォルト: 復旧ポイントの保持

    復旧ポイントの保持

    このオプションは、保持する復旧セットの数ではなく、保持する復旧ポイントの数に基づいて保存設定を指定する場合に選択します。

    今すぐバックアップ - 保護設定

    保持する復旧ポイント数の指定

    保持する復旧ポイント(フル、増分および検証バックアップ イメージ)の数を指定します。 デスティネーションにある復旧ポイント数が指定した上限を超えると、最も古い増分バックアップから、上限を超えた数だけ親バックアップにマージされ、「親 + 最古の子」ブロックで構成される新しいベースライン イメージが生成されます。 バックアップが圧縮され、マージできる複数のセッションがある場合、最も古い子バックアップから単一パスで親バックアップにマージされます。 バックアップが圧縮されない場合、最も古い単一の子バックアップのみが親バックアップにマージされ、以降にマージされる各子バックアップについてもこのサイクルが繰り返されます。

    保持する復旧ポイント数を指定すると、保持数を一定に保ちながら無限増分バックアップを行うことができます。 詳細については、「マージ ジョブの管理」を参照してください。

    注: デスティネーションの空き容量が不足している場合、保存する復旧ポイントの数を減らすことを検討してください。

    デフォルト: 31

    最小: 1

    最大: 1344

    注: CA ARCserve D2D のホームページの[サマリ]セクションは、指定された数からどれだけの復旧ポイントが保持されるかを示します。 詳細については、「ステータス サマリ概要」を参照してください。

    マージ ジョブの実行:
    至急

    任意の時点でマージ ジョブを実行する場合にこのオプションを選択します。

    以下の時間範囲のすべての日

    毎日、指定した時間帯にのみマージ ジョブを実行する場合、このオプションを選択します。 時間帯を指定すると、マージ ジョブの実行が長時間におよぶ場合でも、マージ ジョブにより実稼働サーバ上で過剰な I/O 処理が発生するのを防ぐことができます。

    注: マージ ジョブを実行する時間帯を設定する際に、マージの開始前に、関連するバックアップ ジョブが完了するように時間帯を設定します。

    復旧セットの保持

    このオプションは、保持する復旧ポイント数ではなく、保持する復旧セット数に基づいて保存設定を指定する場合に選択します。 この設定では、無限増分バックアップを無効化し、セッションのマージは行いません。 復旧セットを使用すると、マージ ジョブが完了するまでの合計時間を減らすことができます。

    今すぐバックアップ - 保護設定

    保持する復旧セット数の指定

    保持する復旧セット数を指定します。 復旧セットは、フル バックアップから始まり、そのあとに複数の増分、検証、またはフル バックアップが続く、一連のバックアップです。

    例 - セット 1:

    • フル
    • 増分
    • 増分
    • 検証
    • 増分

      例 - セット 2:

    • フル
    • 増分
    • フル
    • 増分

      新しい復旧セットを開始するには、フル バックアップが必要です。 指定された時間に実行するよう設定またはスケジュールされたフル バックアップがない場合でも、セットを開始するバックアップは自動的にフル バックアップに変換されます。 CA ARCserve D2D ホーム ページ上の[最新のイベント]セクションにあるステータス列のフラグは、フル バックアップが復旧セットを開始するバックアップであることを示します。 復旧セットの設定を変更(たとえば、復旧セットの開始ポイントを月曜日の最初のバックアップから木曜日の最初のバックアップに変更、など)した場合、既存の復旧セットの開始ポイントは変更されません。

    注: 既存の復旧セット数を計算する際、未完了の復旧セットは無視されます。 復旧セットが完了しているとみなされるのは、次の復旧セットの開始バックアップが作成されたときです。

    指定した制限を超過すると、最も古い復旧セットは(マージされるのではなく)削除されます。

    デフォルト: 2

    最小: 1

    最大: 100

    注: 復旧セットを削除して、バックアップ用のストレージ容量を節約したい場合は、保持するセット数を減らします。CA ARCserve D2D が最も古い復旧セットを自動的に削除します。 復旧セットは手動で削除しないようにしてください。

    例 1 - 復旧セットを 1 個保持:

    • 保持する復旧セット数を 1 に指定します。

    CA ARCserve D2D は、完了したセットを 1 つ保持するため、次の復旧セットの開始まで、常に 2 つのセットを保持します。

    例 2 - 復旧セットを 2 個保持:

    • 保持する復旧セット数を 2 に指定します。

    4 番目の復旧セットを開始する際、CA ARCserve D2D は、最初の復旧セットを削除します。 これにより、最初のバックアップが削除され、かつ、4 番目のバックアップが開始された時点で、ディスク上には 2 個の復旧セットが存在します(復旧セット 2 および 3)。

    注: 保持する復旧セットの数を 1 つに指定した場合でも、少なくともフル バックアップ 2 個分の容量が必要になります。

    例 3 - 復旧セットを 3 個保持:

    • バックアップの開始時間は 2012 年 8 月 20 日、午前 6:00 です。
    • 12 時間ごとに増分バックアップを実行します。
    • 新しい復旧セットは、金曜日の最終バックアップから開始します。
    • 3 個の復旧セットを保持します。

    上記の条件では、増分バックアップは毎日午前 6:00 および午後 6:00 に実行されます。 最初のバックアップ(フル バックアップである必要があります)を取る際、最初の復旧セットが作成されます。 最初のフル バックアップは復旧セットの開始バックアップとしてマークされます。 金曜日の午後 6:00 にスケジュールされたバックアップは、実行と同時にフル バックアップに変換され、復旧セットの開始バックアップとしてマークされます。

    新しい復旧セットを開始する間隔:
    週の選択された曜日

    新しい復旧セットを開始する曜日を指定します。

    月の選択された日付

    新しい復旧セットを開始する月の日付を指定します。 1 ~ 30 を指定します。 また、月の日数は異なった値を取るため(28、29、30、または 31 日)、月の最終日を復旧セットの作成日として指定することができます。

    新しい復旧セットを開始する対象
    選択された日の最初のバックアップ

    新しい復旧セットを、指定した日の最初にスケジュールされたバックアップで開始する場合に指定します。

    選択された日の最後のバックアップ

    新しい復旧セットを、指定した日の最後にスケジュールされたバックアップで開始する場合に指定します。 最後のバックアップでセットを開始することを選択し、何らかの理由で最後のバックアップが実行されなかった場合、その次にスケジュールされたバックアップがフル バックアップに変換されてセットを開始します。 次のバックアップが(緊急事態により、即座に増分バックアップを実行したなどの理由により)アドホックに実行された場合は、フル バックアップを実行して復旧セットを開始するか、または、増分バックアップを実行して次のバックアップで復旧セットを開始するかを決定できます。

    注: アドホック バックアップを実行した場合、最終バックアップはその日の最後のバックアップではない場合があります。

    CA ARCserve D2D のホームページの[サマリ]セクションは、指定された数からどれだけの復旧セットが保持(または進行中)されるかを示します。 [復旧セット]の下のリンクをクリックすると、[復旧セットの詳細]ダイアログ ボックスが表示されます。 このダイアログ ボックスには、復旧セットの内容に関する詳細情報が含まれます。 このダイアログ ボックスの詳細については、「ステータス サマリ概要」を参照してください。

  5. 圧縮の種類を指定します。

    バックアップに使用される圧縮の種類を指定します。

    圧縮は、通常ディスク容量の使用率を減らすために実行されますが、CPU 使用率が増加するため、バックアップ速度が低下するという影響があります。

    使用可能なオプションは、以下のとおりです。

  6. 暗号化設定を指定します。
    1. バックアップに使用される暗号化アルゴリズムの種類を選択します。

      データの暗号化とは、解読メカニズムがなければ理解できない形式にデータを変換することです。 CA ARCserve D2D のデータ保護では、安全な AES (Advanced Encryption Standard)暗号化アルゴリズムを使用し、指定したデータに対して最大限のセキュリティおよびプライバシーを確保します。

      利用可能なオプションは、暗号化なし、AES-128、AES-192、および AES-256 です (暗号化を無効にするには、[暗号化なし]を選択します)。

      • フル バックアップと関連するすべての増分/検証バックアップで同じ暗号化アルゴリズムを使用する必要があります。
      • 増分または検証バックアップの暗号化アルゴリズムが変更された場合、フル バックアップが実行される必要があります。 つまり、暗号化アルゴリズムが変更されたら、元のバックアップの種類にかかわらず、最初のバックアップはフル バックアップになります。

        たとえば、アルゴリズム形式を変更し、カスタマイズされた増分/検証バックアップを手動でサブミットした場合は、自動的にフル バックアップに変換されます。

    2. 暗号化アルゴリズムを選択した場合は、暗号化パスワードを指定(および確認)します。
      • 暗号化パスワードは最大 23 文字に制限されています。
      • フル バックアップと関連するすべての増分/検証バックアップでは、データの暗号化に同じパスワードを使用する必要があります。
      • 増分/検証バックアップの暗号化パスワードが変更された場合、フル バックアップを実行する必要があります。 つまり、暗号化パスワードが変更されたら、元のバックアップの種類にかかわらず、最初のバックアップは常にフル バックアップになります。

        たとえば、暗号化パスワードを変更し、カスタマイズされた増分/検証バックアップを手動でサブミットした場合は、自動的にフル バックアップに変換されます。

    3. CA ARCserve D2D では暗号化パスワード管理が提供されるため、ユーザが暗号化パスワードを記憶している必要がありません。
      • パスワードも暗号化されます。
      • 同じマシンにリストアする場合は、パスワードは記憶されているため必要ありません。
      • 別のマシンにリストアする場合、パスワードは必須です。
      • 暗号化されたデータが含まれる復旧ポイントのエクスポートを試行し、その復旧ポイントが現在のマシンで実行されたバックアップに含まれている場合、パスワードは必要ありません。
      • 暗号化されたデータの回復を、エクスポートされた復旧ポイントから実行する場合は常にパスワードが必要です。
      • 暗号化された復旧ポイントを参照するのにパスワードは必要ありません。
      • BMR を実行するためにはパスワードが必須です。
    4. 暗号化が有効になると、アクティビティ ログが更新されます。
      • メッセージがアクティビティ ログに記録され、バックアップごとに選択された暗号化アルゴリズムについて記述されます。
      • メッセージがアクティビティ ログに記録され、増分/検証バックアップがフル バックアップに変換された理由(パスワード変更またはアルゴリズム変更)が示されます。

        : バックアップに対して暗号化設定を同じままにする必要はありません。 同じデータを複数回バックアップした後でも、これらの設定はいつでも変更できます。

  7. スロットル バックアップを指定します。

    バックアップが書き込まれる最高速度(MB/分)を指定できます。 バックアップ速度のスロットル制御を実行すると、CPU またはネットワークの使用率を低減できます。 ただし、バックアップ速度の制限は、バックアップ ウィンドウに悪影響を及ぼします。 バックアップの最高速度を抑えるほど、バックアップの実行時間が増加します。 バックアップ ジョブの場合、CA ARCserve D2D ホーム画面上の[ジョブ モニタ]に、進行中ジョブの平均読み取り/書き込み速度が表示され、設定されたスロットル スピード制限も示されます。

    : デフォルトでは、[スロットル バックアップ]オプションは有効ではなく、バックアップ速度は制御されません。

  8. 推定バックアップ サイズを計算します。

    デスティネーション ボリュームの推定使用量を表示します。

    推定バックアップ計算の使い方の詳細については、「将来のバックアップ スペース要件の推定」を参照してください。

  9. [設定の保存]をクリックします。

    バックアップ保護設定が保存されます。