バックアップの前提条件と考慮事項の確認
Arcserve UDP エージェント(Windows)バックアップを実行する前に、以下のバックアップ考慮事項を確認します。
- バックアップ先の空きディスク容量
- バックアップ先に十分な空き容量が存在しない場合は、以下の修正処置を検討してください。
- 保存する復旧ポイントの数を減らす。
- バックアップ先の利用可能な空き容量を増やす。
- より大容量のバックアップ先に変更する。
- バックアップ ソースのサイズを減らす(バックアップから不要なボリュームを除外する)。
- バックアップの圧縮率を大きくする。
- 適切なライセンスの取得を確認
- バックアップの実行に Arcserve UDP エージェント(Windows)を使用する場合(特に Microsoft SQL Server および Microsoft Exchange Server の場合)、適切なライセンスを取得していることを必ず確認してください。
- Arcserve UDP エージェント(Windows)では、一貫したバックアップのため、バックアップ時にはすべての VSS ライタを使用します。唯一の例外は、Microsoft SQL Server、Microsoft Exchange、および Hyper-V ライタで、これらは適切にライセンスされている場合のみ対象となります。
- バックアップ ディスク サイズ
- ボリュームが 2 TB 以上のディスク上にあり、圧縮オプションが無効になっている場合、そのボリュームはバックアップからスキップされます。ただし、圧縮が有効な場合(デフォルト設定)、サイズ制限はありません。その結果、2 TB より大きなソース ボリュームをバックアップする場合、圧縮オプションを有効にしておく必要があります。
- ブロック レベルの増分(BLI)バックアップの最小サイズは 64K です。ファイル サイズが 64K 未満の場合、Arcserve UDP エージェント(Windows)ではファイル全体がコピーされます。
注:2 TB の制限は、VHD 形式のバックアップにのみ該当します。
- サポートされるディスクを使用していることを確認
- Arcserve UDP エージェント(Windows)のバックアップ ソース ディスクおよびデスティネーション ディスクとして、さまざまな種類のディスクがサポートされています。
- 詳細については、「Arcserve UDP エージェント(Windows)でサポートされるディスク」を参照してください。
- バックアップの頻度および保持数の選択
- スケジュールされたバックアップが以前のバックアップ ジョブのファイル システム カタログの生成にかかる時間の長さより頻繁に起こる場合、最も古いセッションのファイル システム カタログの生成が完了する前に、復旧ポイント保持数を超過する場合があります。この場合、保留中のすべての復旧ポイントで使用されるカタログの生成が遅延する可能性があります。その結果、保持されている復旧ポイントが(指定された最大保存数を超えて)蓄積され、ステータス サマリに、デスティネーションでディスク容量が不足していると表示される可能性があります。この問題を回避するには、増分バックアップのスケジュールで実行間隔を大きくします。
- バックアップ先フォルダの手動操作
- ジョブがアクティブであるか、ユーザが Arcserve UDP 復旧ポイント ビューを使用して復旧ポイントを参照している場合、バックアップ先フォルダの手動操作(コピー、切り取り、貼り付け、ドラッグ アンド ドロップなど)は成功しません。これらの手動操作のいずれかを試行する場合は、実行されているアクティブなジョブがないこと、および復旧ポイントが(Arcserve UDP 復旧ポイント ビューを使用して)参照されていないことを確認します。
- 適切なドライバのインストール
- すべてのデバイスに最新のドライバ、またはファームウェアがインストールされていることを確認します。
- マシンが正しくシャットダウンされていることを確認
- バックアップ ジョブが実行されていないときも、Arcserve UDP エージェント(Windows)は、オペレーティング システムとデータに関連する変更を常にモニタしています。検出された変更は蓄積されてリストに保存され、次回のマシン起動後に増分バックアップとして含められます。マシンが正常にシャットダウンされず、変更情報がすべて保存されなかった場合、Arcserve UDP エージェント(Windows)では、時間がかかる検証バックアップが次回のバックアップ時に実行されることがあります。検証バックアップは、これがスケジュールされていなかった場合であっても実行されます。
- Microsoft HYPER-V 環境での Arcserve UDP エージェント(Windows)
- Microsoft Hyper-V 環境では、Arcserve UDP エージェント(Windows)はホスト レベルの保護および仮想マシン(VM)レベルの保護の両方を提供します。Arcserve UDP エージェント(Windows)の使用時に発生する可能性のある状況、および保護ソリューションの詳細については、「Microsoft Hyper-V 環境での Arcserve UDP エージェント(Windows)」を参照してください。
- Hyper-V サーバ上で実行中のバックアップ ジョブが実行可能なタスクに与える影響
- Hyper-V サーバ上で Arcserve UDP エージェント(Windows)バックアップ ジョブを実行中である場合、VM のステータスは「バックアップ中」となり、以下のタスクは実行できません。
- パワーオン
- パワーオフ
- 保存
- 一時停止
- リセット
- スナップショット
- 移動
- 名前の変更
- レプリケーションの有効化
- マシン ホスト名の変更が設定の保存に与える影響
- バックアップ パスを入力すると、デスティネーションとして使用するために Arcserve UDP エージェント(Windows)によってそのパスにホスト名が追加され、このホスト名は設定ダイアログ ボックスにも表示されます。マシンの名前を変更する場合、設定を保存しようとする前に、パスから古いホスト名を削除してデスティネーション パス(バックアップ、ファイル コピー、復旧ポイントのコピー)を変更する必要があります。
- 例:ホスト名が「Host_A」でバックアップ デスティネーションが X:\ であり、「Host_B」にホスト名を変更する場合、まずバックアップ デスティネーションを x:\Host_A から x:\ に再度変更しないかぎり、バックアップ設定に行なわれたいずれの変更も保存されません。
- バックアップ デスティネーションのホスト名を変更せずに、設定の保存を試みると、Arcserve UDP エージェント(Windows)は、バックアップ デスティネーション「x:\Host_A」が Host_A によってすでに使用されており、つまり Host_A は別のマシンであり、設定への変更は認められないと考えます。
- バックアップ先の変更が保存済み復旧ポイントに与える影響
- 変更されたバックアップ先に対して増分バックアップを継続し、指定した保存済み復旧ポイント数に達した場合、Arcserve UDP エージェント(Windows)では、最も古いバックアップ セッションを最初のバックアップ先にマージします。これは、指定された復旧ポイント数を保持するためです。このマージ処理が繰り返されると、最初のバックアップ先に保存された復旧ポイント数が減少し、同時に、変更されたバックアップ先の復旧ポイント数が増加します。最終的には、最初のバックアップ先の復旧ポイントがなくなり、すべてのセッションは変更されたバックアップ先にマージされます。
- バックアップ先の変更が継続的なバックアップに与える影響
- あるバックアップ先へのフル バックアップ(および複数の増分バックアップ)を設定および実行した後にバックアップ先を変更しても、バックアップの再設定を行って、引き続き新しいバックアップ先への増分バックアップを問題なく実行できます。
- 後から再度バックアップ先を変更する場合も、バックアップ設定を再設定すると、新しいバックアップ先への増分バックアップを引き続き問題なく実行できます。
- 例:
- ユーザが所有するマシンのバックアップ先がローカルまたはリモート ボリュームのフォルダ A に設定されています。フル バックアップ 1 回と増分バックアップを何度か実行した後にバックアップ先がいっぱいになったため、別のバックアップ先(フォルダ B)に変更するとします。バックアップ設定を再設定し、フォルダ B をバックアップ先にするように指定できます。Arcserve UDP エージェント(Windows)は引き続き、新しいバックアップ先に増分バックアップを実行します。その結果、元のフォルダ A にはフル バックアップと複数の増分バックアップが格納され、新しいフォルダ B には複数の増分バックアップが格納されます。
- フォルダ B への複数の増分バックアップを実行した後、他の新しいバックアップ先(フォルダ C)を再設定する場合、元のフル バックアップの場所(フォルダ A)へのリンクが保持されているため、Arcserve UDP エージェント(Windows)はバックアップ先であるフォルダ C への増分バックアップを引き続き実行します。
- あるバックアップ先へのフル バックアップ(および複数の増分バックアップ)を設定および実行した後、バックアップ先を別の場所に変更する場合、元のバックアップ先から新しいバックアップ先にコンテンツをコピーまたは移動することができます。次に、バックアップ設定を再設定すると、増分バックアップを新しいバックアップ先に引き続き問題なく実行することができます。
- ただし、最初の場所にフル バックアップ、2 番目の場所に増分バックアップがあり、2 番目の場所から 3 番目の場所にコンテンツを移動した後に引き続き増分バックアップを実行しようとすると、最初の場所へのリンクが失われるためバックアップは失敗します。
- 例:
- ユーザが所有するマシンのバックアップ先がローカルまたはリモート ボリュームのフォルダ A に設定されています。フル バックアップ 1 回と増分バックアップを何度か実行した後にバックアップ先がいっぱいになったため、別のバックアップ先(フォルダ B)に変更するとします。フォルダ A のコンテンツをフォルダ B に移動し、新しいフォルダ B をバックアップ先とするようにバックアップ設定を再設定することができます。Arcserve UDP エージェント(Windows)は引き続き、増分バックアップを新しいバックアップ先であるフォルダ B に対して実行します。その結果、フル バックアップおよびすべての増分バックアップは、新しいバックアップ先であるフォルダ B に存在します。
- ただし、最初のバックアップ先がフォルダ A (1 つのフル バックアップと複数の増分バックアップを含む)であり、Arcserve UDP エージェント(Windows)バックアップ設定を使用してバックアップ先をフォルダ B に変更した後に増分バックアップを引き続き実行すると、フォルダ B には増分バックアップのみが含まれます。次に、フォルダ B からフォルダ C の他の新しいバックアップ先にコンテンツを移動した場合(フォルダ B から増分バックアップのみを移動し、フル バックアップは含まない)、フォルダ C に増分バックアップを実行すると増分バックアップは失敗します。これは、元のフル バックアップ(フォルダ A)へのリンクが失われたためです。
- 保存設定によるマージ パフォーマンスへの影響
- バックアップ形式を[拡張]に設定すると、マージのパフォーマンスが大幅に向上します。
- ボリュームの最適化がバックアップに与える影響
- Windows ネイティブ ツールによるボリュームの最適化によって、ブロック レベル バックアップのサイズが影響を受ける場合があります。これは、Arcserve UDP エージェント(Windows)が変更されたすべてのブロックを継続的に増分バックアップするためです。つまり、ファイル内のデータが変更されていなくても、最適化中に移動されたブロックはバックアップに含まれてしまいます。その結果、バックアップ サイズが大きくなる場合があります。これは正常な動作です。バックアップ サイズの増加を望まず、さらに、バックアップ時間を増やしたくない場合は、ボリュームの最適化を除外できます。また、任意の最適化スケジュールを中断できます。
- レプリケートしたボリュームのバックアップを設定する方法
- Arcserve Replication/High Availability を使用してレプリケートされたボリュームをバックアップする場合、スプールが別のボリューム上に作成されていることを確認し、このスプール ボリュームが除外されるようバックアップを設定する必要があります。これにより、不要な一時スプール データをバックアップしてしまうことを回避できます。
- Microsoft SQL Server のバックアップの制限
- Microsoft SQL Server VSS Writer の制限のため、特定のステータスを持つ Microsoft SQL Server データベースの中には、自動的にスキップされてバックアップされないものがあります。
- Microsoft SQL サーバ データベースには以下のものが含まれます。
- ステータスが「リストア中」のデータベースこのステータスは、データベースがログ配布のセカンダリ データベース、ミラー データベース、または追加的にリストアされるバックアップ済みデータを待機中のデータベースであることを示します。
- ステータスが「オフライン」のデータベースこのステータスは、このデータベースの通常使用が不可であることを示します。
- データベースはあるボリューム内に設定され、ログは別のボリュームに設定されている場合、バックアップ用として 1 つのボリュームしか選択しないと、Microsoft SQL アプリケーションのバックアップは、そのデータベースについてはスキップされます。
- Arcserve UDP エージェント(Windows)がインストールされた後に Microsoft SQL Server をインストールし、バックアップがまだ実行されていない場合、Microsoft SQL Server が検出されない場合があります。そのため、そのアプリケーションがインストールされたボリュームを選択解除した場合、バックアップにそのアプリケーションが含まれていないことを警告する通知を取得しない可能性があります。この状態は、Arcserve UDP エージェント サービスを停止して開始するか、次のバックアップを実行した後に自動的に解消されます。
- Microsoft Exchange Server のバックアップの制限
- データベースはあるボリューム内に設定され、ログは別のボリュームに設定されている場合、バックアップ用として 1 つのボリュームしか選択しないと、Microsoft Exchange アプリケーションのバックアップは、そのデータベースについてはスキップされます。
- マウント解除された状態のデータベースは、Microsoft Exchange アプリケーション バックアップからはスキップされます。
- Arcserve UDP エージェント(Windows)がインストールされた後に Microsoft Exchange をインストールし、バックアップがまだ実行されていない場合、Microsoft Exchange が検出されない場合があります。そのため、そのアプリケーションがインストールされたボリュームを選択解除した場合、バックアップにそのアプリケーションが含まれていないことを警告する通知を取得しない可能性があります。この状態は、D2D サービスを停止して開始するか、次のバックアップを実行した後に自動的に解消されます。
- VSS ライタの制限
- Arcserve UDP エージェント(Windows)では、一貫したバックアップのため、バックアップ時にはすべての VSS ライタを使用します。唯一の例外は、Microsoft SQL Server、Microsoft Exchange、および Hyper-V ライタで、これらは適切にライセンスされている場合のみ対象となります。
- 圧縮と暗号化に関する VHD 制限
- 圧縮と暗号化の両方が無効な場合、Arcserve UDP エージェント(Windows)は .VHD 形式のファイルのみをバックアップできます。Arcserve UDP エージェント(Windows)は、ファイルを .VHDX 形式ではバックアップできません。
- Active Directory のバックアップの前提条件
- Active Directory のリストアには、エージェント ベースのバックアップが必要です。
- Oracle のバックアップの前提条件
- 詳細については、以下のトピックを参照してください。
- Oracle データベースをバックアップするための前提条件を確認します。
- Microsoft クラスタ化ノードおよび共有ディスクのバックアップの前提条件
- 詳細については、以下のトピックを参照してください。
- Microsoft のクラスタ化ノードおよび共有ディスクのバックアップの前提条件を確認します。
- Arcserve UDP エージェント(Windows)とバックアップ プロセスの動作
- (オプション)リストア プロセスの仕組みについて理解します。詳細については、以下のトピックを参照してください。
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サポートされているオペレーティング システム、データベース、およびブラウザが含まれている「Compatibility Matrix」を確認します。