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復旧ポイントが使用可能であることの確認

d2dverify ユーティリティは、さまざまなバックアップ セッションからの復旧ポイントが使用可能であることを確認するのに役立ちます。通常、バックアップ ジョブは毎日実行されます。複数の復旧ポイントがある場合、復旧ポイントがシステム障害中のデータ復旧に使用可能かどうか分からない可能性があります。そのような状況を回避するため、BMR ジョブを定期的に実行することにより、バックアップが使用可能かどうかを確認できます。d2dverify ユーティリティは、復旧ポイントの使用可否を確認するタスクを自動化するのに役立ちます。

必要なパラメータがセットアップされたら、d2dverify ユーティリティは BMR ジョブをサブミットし、指定された VM にデータを回復します。d2dverify は VM を起動し、スクリプトを実行して VM 内のアプリケーションが正しく機能するかどうかを確認します。Linux Cron などのシステム ユーティリティを使用して d2dverify ユーティリティを定期的に実行するスケジュールを作成することもできます。たとえば、復旧セットの最後のバックアップの後に d2dverify ユーティリティを実行できます。そのような場合、d2dverify は、その復旧セット内の復旧ポイントをすべて確認します。

注:Linux Cron スケジューラを使用したジョブのスケジューリングの詳細については、「ジョブ スケジュールのカスタマイズ」を参照してください。

d2dverify ユーティリティは、以下のシナリオでも使用できます。

d2dverify ユーティリティを使用する前に、以下の前提条件を確認してください。

重要:データベースに、非 root ユーザに関するノード アカウント情報がある場合、d2dverify は非 root ユーザのパスワードをターゲット VM に対して 'CAd2d@2013 にリセットします。

ネットワーク要件:

d2dverify を使用する場合、実稼働環境との競合も回避するため、分離された仮想ネットワークにターゲット VM を保持することをお勧めします。そのような場合、ターゲット VM はバックアップ サーバおよびバックアップ ストレージの両方に接続されている必要があります。

d2dverify ネットワーク要件

ハイパーバイザ サポート:

d2dverify は、リストアの実行を d2drestorevm ユーティリティに依存します。d2dverify は、ハイパーバイザの以下のバージョンをサポートしています。

引数:

--template

d2dverify ユーティリティを実行するためのパラメータが含まれるテンプレートを特定します。

--createtemplate

d2dverify ユーティリティを実行するためのパラメータが含まれる空のテンプレートを作成します。

次の手順に従ってください:

  1. root ユーザとしてバックアップ サーバにログインします。
  2. 以下のコマンドを使用して、d2dverify ユーティリティによって使用されるテンプレートを作成します。
    d2dverify --createtemplate=file_path
    
  3. テンプレートを開き、以下のパラメータを更新します。
    node_list

    バックアップ サーバのデータベースに情報を照会するためのクエリ基準、またはノードのリストを指定します。各ノードは、Node1,Node2,Node3 のように、カンマによって区切られます。

    注:ssh ポート番号がデフォルトのポート 22 ではない場合、各ノードを指定する形式は次のとおりです:Node1:new_port,Node2:new_port,Node3:new_port。VM 名は verify_<ノード名> として割り当てられます。ノード名にはポート番号が含まれません。

    例:Node1:222,Node2:333,Node4:333

    以下は、クエリ基準の例です。

    [node=prefix]

    定義されたプレフィックスが含まれるノード名を検索します。

    [desc=prefix]

    定義されたプレフィックスが含まれるノード説明を検索します。

    guest_ip_list =

    各ターゲット ノードにそれぞれ適用される IP アドレスのリストを指定します。IP アドレスは、IP1,IP2,IP3 のようにカンマで区切られます。使用可能な IP アドレスが 1 つだけであるが、node_list パラメータには複数のノードがある場合、IP アドレスの 4 番目のセグメントが各ノードごとに 1 ずつ増加されます。d2dverify ユーティリティは、IP アドレスが使用されたかどうかを確認します。使用されていた場合、その IP アドレスはスキップされます。

    たとえば、3 つのノード、Node 1、Node 2、および Node 3 があり、1 つの IP アドレス xxx.xxx.xxx.xx6 がある場合、IP アドレスは以下のリストに示すように適用されます。

    ノード 1: xxx.xxx.xxx.xx6

    ノード 2: xxx.xxx.xxx.xx7

    ノード 3: xxx.xxx.xxx.xx8

    vm_type

    ハイパーバイザの種類を指定します。次の 3 種類のハイパーバイザが有効です: xen、ovm、または rhev。

    vm_server

    ハイパーバイザ マネージャのホスト名または IP アドレスを指定します。

    vm_svr_username

    ハイパーバイザ マネージャのユーザ名を指定します。

    vm_svr_password

    ハイパーバイザ マネージャのパスワードを指定します。パスワードは d2dutil --encrypt ユーティリティを使用して暗号化する必要があります。

    以下のコマンドを使用してパスワードを暗号化できます。

    echo "password" | d2dutil --encrypt
    
    vm_network

    ターゲット VM によって使用される仮想ネットワークを指定します。ターゲット VM が複数の仮想ネットワークに接続される場合は、このパラメータを指定することをお勧めします。

    guest_gateway

    ターゲット VM のゲスト オペレーティング システム(OS)によって使用されるネットワーク ゲートウェイを指定します。

    guest_netmask

    ターゲット VM のゲスト OS によって使用されるネット マスクを指定します。

    guest_username

    復旧された VM に接続するために使用されるユーザ名を指定します。パスワードは guest_password パラメータで指定されたパスワードにリセットされます。d2dverify ユーティリティを使用してバックアップ サーバ データベースに情報を照会する場合、guest_username パラメータは無視されます。その場合、VM ゲスト パスワードはデータベースに保存されているノードのパスワードにリセットされます。

    guest_password

    guest_username パラメータのパスワードを指定します。パスワードは d2dutil --encrypt ユーティリティを使用して暗号化する必要があります。d2dverify ユーティリティを使用してバックアップ サーバ データベースに情報を照会する場合、guest_password パラメータは無視されます。

    storage_location

    バックアップ ストレージ場所のネットワーク パスを指定します。node_list パラメータのノードがバックアップ サーバ データベース内にある場合、ストレージ場所を指定する必要はありません。ストレージ場所が CIFS 共有である場合は、以下の形式を使用して場所を指定します。

    //hostname/path
    
    storage_username

    バックアップ ストレージ場所にアクセスするためのユーザ名を指定します。このパラメータは、NFS 共有には必要ありません。

    Windows ドメイン ユーザの場合、以下の形式を使用して場所を指定します。

    domain_name/username
    
    storage_password

    バックアップ ストレージ場所にアクセスするためのパスワードを指定します。パスワードは d2dutil --encrypt ユーティリティを使用して暗号化する必要があります。このパラメータは、NFS 共有には必要ありません。

    recovery_point = last

    リストアするセッションを選択します。通常、復旧セッションは以下の形式になります:S00000000X (X は数字です)。S00000000X は復旧ポイントのフォルダ名です。最新のセッションをリストアする場合は、キーワード 'last' を指定します。

    encryption_password

    復旧ポイント用の暗号化パスワードを指定します。パスワードは d2dutil --encrypt ユーティリティを使用して暗号化する必要があります。

    script

    実行するスクリプトを指定します。このスクリプトは、復旧が成功した後にターゲット マシンで実行されます。このパラメータが指定されない場合、d2dverify ユーティリティは、ターゲット マシン上で 'ls/proc' コマンドを実行します。

    email_to_address

    電子メールでレポートを受信する受信者の電子メール アドレスを指定します。複数の電子メール アドレスをカンマ区切りで指定できます。

    email_subject

    電子メールの件名を指定します。

    report_format

    電子メールで受信するレポートの形式を指定します。形式は、テキスト(.txt)または html のいずれかです。

    デフォルト: html

    node_not_in_db

    node_list パラメータのノードで、バックアップ サーバ データベースにないものを指定します。storage_* 関連パラメータを指定する必要があります。

    値: yes

    stop_vm_after_recovery

    復旧および検証が成功した後にターゲット VM を停止することを指定します。このパラメータの値は、yes または no です。

    デフォルト: yes

  4. テンプレートを保存して閉じます。
  5. 以下のコマンドを使用して、d2dverify ユーティリティを実行します。
    d2dverify --template=file_path
    

注:node_list パラメータ内のノードが公開鍵/秘密鍵を使用して追加された場合、d2dverify ユーティリティは失敗します。この問題を解決するには、d2dverify ユーティリティを実行するシェル環境で、環境変数 'export D2D_SSH_IGNORE_PWD=yes' を設定します。

復旧ポイントの使用可否が正常に確認されました。