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復旧セットの仕組み

復旧セットは、指定された期間にバックアップされた複数の復旧ポイント(バックアップ セッション)が 1 つのセットとしてまとめられて保存されるストレージ設定です。復旧セットには複数のバックアップが含まれますが、必ずフル バックアップから始まり、その後にいくつかの増分、検証、またはフル バックアップが続きます。復旧ポイントではなく復旧セットを使用することにより、無限増分バックアップを無効にし、バックアップ セッションのマージを取りやめることができます。これによって、時間のかかるマージ プロセスを完全に排除できます。

復旧セットは、通常、大規模なストレージ環境で使用され、大量のデータを保護するときのバックアップ時間をより効率良く管理するのに役立ちます。復旧セットは、ストレージ容量の制約よりもバックアップ時間を重視する場合に使用します。

復旧セットを開始するにはフル バックアップが必要です。このため、復旧セットを開始するバックアップ セッションは、フル バックアップがそこで実行されるように設定またはスケジュールされていない場合でも、自動的にフル バックアップに変換されます。最初のフル バックアップの完了後は、次の新しい復旧セットが(手動で、またはスケジュールに従って自動で)起動されない限り、すべての後続バックアップがその種類にかかわらず現在の復旧セットの中に保存されます。

保持する復旧セット数は設定することができます。保持されている復旧セットの数が指定された保持数を超えた場合は、最も古い復旧セットが削除されます(マージはされません)。復旧セットが完成したとみなされるのは、次の復旧セットの最初のフル バックアップが完了したときです。たとえば、2 つの復旧セットを保持するように指定している場合は、3 番目の復旧セットのフル バックアップが完了した後で初めて 1 番目の復旧セットが削除されます。つまり、1 番目のバックアップが削除される時点では、ディスク上に必ず 2 つの復旧セット(復旧セット 2 および 3)が存在することになります。

注:復旧セットを削除して、バックアップ用のストレージ容量を節約したい場合は、保持するセット数を減らします。Arcserve UDP Agent (Windows) が最も古い復旧セットを自動的に削除します。復旧セットは手動で削除しないようにしてください。

Arcserve UDP Agent (Windows) ホーム画面の[最新のイベント]セクションにあるステータス列のフラグは、フル バックアップが復旧セットの開始バックアップであることを示します。復旧セットの設定を変更(たとえば、復旧セットの開始ポイントを月曜日の最初のバックアップから木曜日の最初のバックアップに変更、など)した場合、既存の復旧セットの開始ポイントは変更されません。

注:Arcserve UDP Agent (Windows) を使用しており、[バックアップ データ形式]を[標準]に設定している場合にのみ、復旧セットを使用できます。[バックアップ データ形式]を[拡張]に設定した場合には、復旧セットは使用できません。拡張バックアップ データ形式を使用すると、マージ ジョブの実行が非常に高速および効率的になり、復旧セットを使用する必要がなくなるためです。

デフォルト:2

最小:1

最大:100

例 1 - 復旧セットを 1 個保持:

Arcserve UDP Agent (Windows) は、完了したセットを 1 つ保持するため、次の復旧セットの開始まで、常に 2 つのセットを保持します。

例 2 - 復旧セットを 2 個保持:

4 番目の復旧セットを開始する際、Arcserve UDP Agent (Windows) は、最初の復旧セットを削除します。これにより、最初のバックアップが削除され、かつ、4 番目のバックアップが開始された時点で、ディスク上には 2 個の復旧セットが存在します(復旧セット 2 および 3)。

注:保持する復旧セットの数を 1 つに指定した場合でも、少なくともフル バックアップ 2 個分の容量が必要になります。

例 3 - 復旧セットを 3 個保持:

上記の条件では、増分バックアップは毎日午前 6:00 および午後 6:00 に実行されます。最初のバックアップ(フル バックアップである必要があります)を取る際、最初の復旧セットが作成されます。最初のフル バックアップは復旧セットの開始バックアップとしてマークされます。金曜日の午後 6:00 にスケジュールされたバックアップは、実行と同時にフル バックアップに変換され、復旧セットの開始バックアップとしてマークされます。

復旧セットのフロー